3月訪韓報告 各地で原告や市民団体と交流

今回の訪韓は、できるだけ多くの原告とお会いすることと、原告の住む地域の女性団体や市民団体と交流し、韓国内で不二越支援の運動を模索することでした。原告団23人全員にお電話し、そのうち8人とお会いしました。皆さんが地震のことを心配されていました。電話で金栄哲さんが昨年11月にお亡くなりになっていたことがわかりました。これで5人の方が亡くなられました。本当に残念です。

仁川-軍浦 

3月8日、仁川空港に到着すると仁川市在住の李慈順さんご夫妻が出迎えてくださいました。大邱の岡田さん(啓明文化大学教授)も合流してコーヒーをご馳走になりながら近況報告しました。李慈順さんご自身も腰痛を抱えていますが、ソウルまでなら出かけることができるとソウル近郊の原告が集まるように、その場で原告に電話してくれました。

その後、高速バスで1時間ほど、軍浦へ移動しました。李大洙さんと合流し、軍浦在住の原告金啓順さんのお宅へ。金啓順さんは、お孫さんと二人暮らしで、提訴の時小学生だったお孫さんはもう大学生になっていて、時間の経過を実感しました。
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         3月8日、軍浦。左から岡田さん、李大洙さん、金啓順さん

ソウル

3月9日、ソウルに向かい、東北アジア歴史財団を訪問し、夕方、推進協議会の李熙子さんと今後についての打ち合わせをしました。

水原

3月10日、水原で原告の金明培さんと京畿女性団体など3つの女性団体との交流会に参加しました。国際婦人デーの準備でお忙しい中、たくさんの方が参加してくださいました。名古屋三菱女子勤労挺身隊のビデオを上映した後、李大洙さんが不二越に関心を持った経過を説明。今年1月に富山に行き連絡会との交流を持ったこと、名古屋三菱の問題は最高裁で棄却された後、日本の支援とともに光州で市民の運動がつくられ、そうした力で三菱との交渉に至った。同じ課題の不二越についても光州のような支援運動が必要である。不二越など強制連行問題の解決は、単に被害者の救済ということだけでなく、東北アジア全体の未来と平和の問題であると訴えられました。
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                 3月10日水原、女性団体との交流会

全州

3月11日は全州へ。崔姫順さんと朴潤廷さんにお会いしました。崔姫順さんとは去年3月来日闘争以来です。昨年腰の手術をしたとお聞きし、心配していました。亡くなった妹さんが不二越に強制連行された朴さんとは3年ぶりの再会でした。腰がさらに曲がって自分で立っていることができない状態でした。この日は全州の市民団体の方が送迎してくださり、お会いすることができました。不二越の強制連行問題については初めて知ったという全北女性センターの方が、崔さんの話を熱心に聞いていました。
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全州は東学農民革命発祥の地で記念会館があり、中には当時の資料が展示されている。
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            全州はビビンバで有名、古い韓国の村が残っている。
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                村の可愛い番犬?

大邱(テグ)

3月12日ソウルから高速鉄道KTXで大邱に向かいました。韓国ドラマに良く出てくる釜山行きのセマウル号で、大邱まで3時間近くかかりました。大邱在住の昨年富山大学を卒業した留学生の林さんと会い、彼女と一緒に岡田さんが声をかけてくださった韓国原爆二世患友会の方や崔ボンテ弁護士などの待つ交流会に参加しました。仙台から青柳さん夫妻が「慰安婦」被害者の李容洙さんとともに合流してくださいました。地震の前日に訪韓した青柳さんは自宅がどうなっているのかもわからず、女川原発のすぐ近くに住む「在日」元日本軍慰安婦の宋神道さんの安否をとても心配していました。(宋さんの安否は10日後に確認されました)
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笑顔の素敵な李容洙さん

私からクローバーの会作成のパワーポイントを使って不二越強制連行について説明をし、林さんに通訳をお願いしました。交流会の後、原爆二世の陳さんとお話しました。戦時中、彼女の祖父が広島に住んでおり、母親が2歳の時に広島で被曝し、40代の彼女は被曝2世。彼女も甲状腺の障害や体調不良に悩んでいるそうです。被曝二世は癌やさまざまな病気で苦しんでいるにもかかわらず、何の補償もされていない現実があります。私自身にとってもとても貴重な交流会でした。
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大邱の交流会。司会は岡田さん(右)

釜山-昌原-馬山

翌3月13日、釜山に向かい、原告の柳賛伊さんにお会いしました。とてもお元気でした。
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不二越強制連行当時の話をする柳賛伊さん

彼女は真相糾究明委員会から供託金に関する連絡がきたと書類を持ってこられました。韓国では真相糾究明委員会が昨年3月に日本政府から渡された供託金名簿を分析し、1円あたり2000ウォンに換算し、韓国政府が被害者に支払うことになっています。昨年11月から支払いが始まっていますが、柳さんの手元に届いた文書では、供託名簿にはあるが供託金はないとのことでした。他の原告にはまだ書類が届いていませんが、不二越は供託金もごまかしていますから、対応を検討したいと思います。

その後、長年関釜裁判を支援してこられた金文淑さんや、釜山女性団体連合の方ともお会いしました。

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2月28日昌原大学で講演するアンヒスさん

そして、釜山から昌原市(馬山市は合併され現在は昌原市)に電車で移動し、勤労挺身隊問題を取り上げ継続的な活動を行っている昌原市議チェミニさん(民主労働党)らとお会いしました。馬山在住の原告アンヒスさんや名古屋三菱原告の原告を招いて2月28日、昌原大学で集会を行い、それが地元マスコミで流れたそうです。昌原市からは150名が不二越に動員されています。チェミニさんはアンヒスさんと一緒に富山に来たいという希望を持っていらっしゃるのでぜひ実現させたいと思います。


 夕食後、チェミニさんが車でアンヒスさんの自宅まで送ってくださいました。アンヒスさんと来日について相談し、体調問題はありますが、気候が良くなれば来日は可能だということでした。この日は馬山に宿泊し、14日翌朝アンヒスさんにご挨拶をして、ソウルに向かいました。
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              昌原チェミニさん(左から2番目)らと

再びソウル

ソウル近郊にお住まいの原告のみなさんに、以前原告団総会を行っていたソウル鐘路5街キリスト教100周年記念館の近くに集まっていただきました。李大洙さんとアジア平和文化交流の金善龍さん、授業の後大邱から岡田さんも遅れて合流されました。

李大洙さんから原告のみなさんに、1週間各地を訪問してきた報告と、今後原告の在住する韓国各地で不二越支援の運動を作り、そのネットワークをつくっていきたいと提起されました。

名古屋三菱の原告をお姉さんに持つ金正珠さんからは、この間の来日闘争報告や光州の活動についても紹介がありました。現在、光州を始め各地で10万人1000ウォン希望リレーのカンパ運動が展開されています。三菱との交渉のため原告らが度々来日しており、その費用などをカンパでまかない、またその活動を通じて勤労挺身隊問題を韓国内で広めていく運動です。こうした運動と連携しながら、同じ課題である不二越の支援も広げていけたらよいと思います。
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原告のみなさんと別れた後は夕食会。この間原告の付き添いをしてくれたソンギョンソプさんにも短い時間でしたが会えました。

この日、金善龍さんは不二越の原告に会うため韓国憲法9条の会の会議を欠席されました。憲法9条の会運営委員長の金承國(キム・スングク)さんが岡田さんとの共通の知り合いだとわかり、電話をしたら早速合流してくれました。民主活動家で進歩党の韓錫浩(ハン・ソクホ)事務総長さんは、民主労組の創生期から労働運動をしてきた方です。縫製工場の劣悪な労働環境に抗議して焼身自殺した全泰壱(ジョンテイル)の母親は、戦時中韓国内で勤労動員させられたそうです。不二越問題は労働問題でもあると、今後協力していただけるとのことで、資料などを送りたいと思います。
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           マッコリで乾杯。連帯の握手。金承國さん(左)
           韓錫浩さん(右から2番目)

3月11日ソウルでお会いした朴賢緒さんにはいつも物心両面のご支援をいただき感謝に堪えません。今年9月コリアプロジェクト@富山主催の講演会に講師として来日される予定です。お目にかかれることを楽しみにしています。
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                  3月11日ソウル、朴賢緒さん

 7泊8日、韓国を縦断しました。今年1月富山に来て私たちと交流会をしたことで責任感を感じ、このようにいろいろな団体を紹介してくださった李大洙さん、岡田さんに深く感謝します。ありがとうございました。とても濃密な一週間で、韓国での運動をつくっていくスタートとなりました。韓国の市民のみなさんと力をあわせ、必ず不二越に謝罪と賠償をさせましょう。(事務局 中川美由紀)


資料


「99円のハルモニの恨」 10万の力で
[ハンギョレ新聞  2011年02月17日(木)午前09:30]
(チョン・デハ記者)=勤労挺身隊の被害補償協議で、財政難で困難

市民行動「1000ウォン希望リレー」で後援運動に乗り出し指が切られた。全南・順天(スンチョン)出身のキム・ソンジュ(83・写真右側・京畿道安養市(アニャンシ))氏は、1944年5月、日本の名古屋三菱重工業に勤労挺身隊として働いていて、機械に手が吸い込まれていった。賃金をただ一文も受けることができずに働いた彼女は、1944年12月の東南海地震の時は九死に一生で命を拾ったが、負傷をした。キム氏は、勤労挺身隊を軍「慰安婦」と誤解した夫から虐待を受け、婚約破棄に遭った。キム氏の妹のチョンジュ(81・左側)氏は、「日本に行けば姉さんに会える」という言葉にだまされて、1945年2月に日本の富山の不二越社に引きずられていき、強制労役をした。2人の姉妹のハルモニに、勤労挺身隊は一生消せない内面の傷だ。


「勤労挺身隊のハルモニとともにする市民の会」(代表、キム・ヒヨン)は、去る15日、市民1人に1000ウォンずつ、10万人余りが参加する、「10万希望リレー」運動を宣言した。1000ウォンは、2009年秋に日本政府が勤労挺身隊のハルモニに突き出した、厚生年金脱退手当の99円(約1000ウォン)を、10万人は三菱重工業に引きずられていった、徴用者の数を象徴する。2008年末、勤労挺身隊のハルモニたちが日本の損害賠償訴訟で敗訴した後で結成された市民の会は、昨年13万5000人の署名運動などを通じて、三菱を協議の場に呼び入れた「市民の力」をもう一度集めようと、訴えて出た。


市民たちは、「恥ずかしい過去事を、市民の力で正しく立てよう」として、後援募金運動に参加している。チェ・ソンヒ(25・京畿道安山市(アンサンシ)氏は、「送金したというのも恥ずかしいが、とても小さな力でも、補って差し上げたい」と語った。ソウルに住むイ・ミョンソン氏も、「コーヒーの値段程度にしかならない小額だが、力になることを願う」という文を送った。


ソウル市民のコ・スヨン氏も、家族5人の名前で、1000ウォンずつ5000ウォンを送金した後、「頑張れ」という激励のメッセージを送った。


イ・グコン(42)市民の会事務局長は、「昨年11月から被害補償のための協議を始めた後、航空料など財政上の問題で困難を経験している」として、「三菱重工業勤労挺身隊被害者は300人余りだが、大部分が高齢なので、問題解の時間がそれほど残っていないようで、残念だ」と語った。
by fujikoshisosho | 2011-04-12 19:37 | 韓国レポート


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