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2012.5.24 韓国最高裁判決について

5月24日、韓国の最高裁判所判決についての連絡会声明、5月25日付ハンギョレ新聞記事(ハンギョレ・サランバンより転載)と、「日帝被害者共済組合」「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」の声明(日本語訳)です。

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強制連行訴訟韓国最高裁判決に寄せて
 不二越強制連行訴訟支援北陸連絡会 声明

韓国最高裁は不二越最高裁判決(日韓条約で解決済み)を事実上否定した
 日本の最高裁は「日韓条約」に基づく棄却判決を見直すべき

5月24日、韓国最高裁判所は、韓国人元徴用工らが三菱重工と新日本製鉄に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、原告の請求権を認める初の判断を示した。「日本の判決は植民地支配が合法との認識を前提としている。韓国の憲法と正面から衝突する」と、日本の司法の「日韓条約で解決済み」を否定した。
 
昨年10月24日、最高裁は第2次不二越強制連行訴訟において、強制労働と未払い賃金の事実を認めながらも「日韓請求権協定」で解決済みと原告の訴えを棄却した。今回の韓国最高裁決定は、事実上この不二越最高裁判決を否定するものである。日本の司法は、今回の韓国最高裁判決の重さを真摯に受け止めるべきである。
被害者たちは、長期に及ぶ闘いで勝ち取った今回の判決を「第二の独立記念日」と受け止めている。しかし、本来は加害国である日本の最高裁が判決しなければならなかったことである。

不二越と政府は、日本が行った植民地支配と侵略の歴史に真摯に向き合い、今こそ被害者に謝罪と賠償をすべきである。原告団は昨年の最高裁判決以降も闘いを継続している。私たちは6月8日から来日原告団とともに、不二越東京本社に申し入れを行う。原告とともに、謝罪と賠償を実現するまで闘うことを決意する。

2012年5月25日
第2次不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会


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韓国 最高裁 "日帝強制徴用被害者、日本企業が損害賠償すべき"
賠償関連訴訟で初の原告勝訴判決

日帝強制徴用被害者に日本企業が損害賠償をしなければならないという最高裁判決が下された。

 最高裁1部(主審 キム・ヌンファン最高裁判事)は24日イ・ビョンモク(89)氏など日帝強制労働徴用8人が日本の三菱重工業と新日本製鉄を相手に出した損害賠償など請求訴訟上告審で、原告敗訴判決した原審を破棄し事件を釜山高裁に差し戻した。 日帝強制占領期間に被害をこうむった我が国民が日本企業を相手に出した損害賠償請求訴訟で勝訴趣旨で判決が下されたことは今回が初めてだ。

 裁判所は 「原告が日本で提起した同じ内容の訴訟で日本裁判所は原告の請求を全て棄却した事実があるが、日本裁判所の判決理由には日本の韓半島と韓国人に対する植民支配は合法的という規範的認識を前提として日帝の国家総動員法と国民徴用令を韓半島と原告などに適用することが有効だと評価した部分が含まれている」として「このような日本の判決は日帝強制占領期間の強制動員自体を不法と見ている大韓民国憲法の核心的価値と正面から衝突するのでその効力を承認することはできない」と明らかにした。

 裁判所は続けて「1965年に締結された韓日請求権協定の解釈を通じて原告の三菱重工業株式会社 及び 新日本製鉄株式会社に対する請求権は請求権協定の締結によって消滅したと見ることはできない」として「被告会社は旧三菱重工業株式会社、旧日本製鉄株式会社とそれぞれ法的に同じ会社と評価されるので原告の請求を断ることはできない」と付け加えた。

 裁判所は「原告の請求権が消滅時効の完成で消滅したという被告の主張は信義誠実の原則に反しており許されない」と説明した。
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[声明書]

 「戦犯企業に鉄槌...大韓民国は司法の主権を確立した。」

「今日は第2の独立記念日・・日帝強制徴用列なす訴訟を予告」

ついに待ちに待った日が訪れた。

大法院(韓国の最高裁判所)が今日、日帝による徴用の被害者たちが三菱重工業と新日本製鉄を相手に起こした損害賠償請求訴訟事件に関連して、下級審の結果を破棄し原告勝訴の趣旨から事件を控訴審裁判所に差し戻したことを、全国にいるすべての日帝被害者と共に歓迎するものである。

時既に遅しの感は否めないが当然の結果だ。 被害国である韓国の司法府がわが国の憲法精神に立脚し加害国の戦犯企業を断罪できないのなら、これで独立した国家と言えるだろうか。 合わせて司法主権を持っていると言えるだろうか。 こんな意味から、遅れはしたが戦犯企業に鉄槌を下した今日は第2の独立記念日と言えるであろう。 日本に対する大韓民国司法の主権を再び確立した日として記録されるだろう。

先立って1審と2審で裁判所は被告会社の不法行為は認めながらも

 ▲日本で確定判決された結果という理由かに受け入れざるを得ない(既判力の維持)

 ▲10年という時効の消滅

 ▲戦前の会社と戦後の会社との同一性の問題等を理由に、続けざまに日本戦犯企業の立場に立ってしまった。

今更言うまでもないが、今まで日本で提起された判決は訴訟が始まった時から既に、

その結果が予定されていたようなものだった。 植民地支配と不法強制連行と強制労働に対して歴史認識から違うのだから、毎回が良心に反する見え見えな判決だった。

 問題は日本の裁判はそうだとしても、なぜ韓国の司法府が日本での判決結果をただそのまま受け入れなければならないかということだった。

こんな雰囲気を利用して新日鉄と三菱重工業は今まで、実に傲慢なことこの上ない態度で一貫して来た。

新日鉄は“一度話をする機会を作って欲しい”と八十の老駆を引きずってまで日本に渡って行った被害者たちの度重なる要請さえ冷たく拒否し、最初から会社の受付も通さず門前払いで追い払った。 日帝による強制占領期間に何と10万人を強制動員した三菱重工業同じようなものだ。 勤労挺身隊問題に対する交渉のテーブルに応じると言いながら、3年にわたる15回も続いた交渉の席ですら、“すでに裁判で終わったことだ。 補償問題は考えていない”とまったく誠意のない傲慢な態度そのものであった。

今日の宣告で今や日本に対する過去の歴史関連訴訟に、新たな歴史的転機が作られた。 今回の判決は一言で言って、被害国家で解放67年ぶりに加害国の戦犯企業の責任を認めた歴史的快挙と言えよう。 大韓民国の憲法精神に立脚し、わが国の司法府が日帝の戦犯企業を断罪する道が開かれたからだ。

今回の判決は反倫理的な不法行為を犯し、被害者たちに苦痛を与えながら解放67年になるのに、謝罪どころか賃金までピンはねした日帝の戦犯企業に警鐘を鳴らすことになったものであり、今後過去の清算問題と関連して大きい波紋が予想される。

最後に日本政府と日帝戦犯企業に警告する。

今回の判決で被害者たちに関連すると訴訟が列をなすと予想される。 しかし九十歳に達した被害者たちには、判決を待っているだけの時間がない。 直ちに謝罪と共に被害者に対する賠償を始めなければならない。

まず日本政府は日帝強制動員被害者に対する賠償を前提とする特別法を立法しなければならない。

合わせて日帝戦犯企業は個人単位で起こされる事件に対処するのは現実的に難しい上に時間的な促迫性を勘案し、即刻的で包括的な賠償方法の一つとして、ドイツでのケースのように基金を出損することが、最も現実的な方法の中の一つになるだろう。

韓国政府もまた、日帝被害者の権利回復を邪魔したり放棄して来たことに対して反省し、この19代の国会で日帝被害者の権利が回復する方案として関連法を改正し、優先的に日帝被害者を支援するための財団が座礁したままの事態を早急に改善し、財団が名実共に権威と地位を持つ財団としてスタートできるよう、政府がその責任を全うしなければならない。

今日この結果に至るまでの最も大きい功労は、相続く敗訴にも挫折せずに数十年の間、孤独な闘いに耐えて来られた日帝被害者たちにあると言えるだろう。 日帝被害者たちにとって今日は第2の独立記念日だ。

合わせて、今日の結果をこの地のすべての国民と共に歓迎する。

2012年5月24日

日帝被害者共済組合
勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会
by fujikoshisosho | 2012-05-25 19:28 | 韓国レポート


連絡先  メールhalmoni_fujikoshisoson@yahoo.co.jp


by fujikoshisosho

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