2013.11.1 名古屋三菱訴訟 韓国光州地方法院判決文2

カ、被告の設立

 1) 旧三菱は日本の敗戦以後、日本内で連合国最高司令部(GHQ)の財閥解体政策に従うと共に、敗戦に因って日本の企業が負担することになる莫大な金額の賠償及び労務者に対する未支給賃金債務等の解決のために制定された、日本の会社経理応急措置法上の特別経理会社、企業再建整備法上の特別経理株式会社に指定された後、1949年7月4日企業再建整備法に依る再建整備計画認可申請をして、1949年11月3日申請した内容通りに主務大臣の認可を受けた。

 2) 旧三菱は1950年1月11日、その再建整備計画に従って解散することにして同じ日、旧三菱の現物出資等に依り企業再建整備法上の新しい会社である中日本重工業株式会社(商号は1952年5月29日新三菱重工業株式会社に、1964年6月1日三菱重工業株式会社に変更された)、東日本重工業株式会社(商号は1952年5月27日三菱日本重工業株式会社に変更された)、西日本重工業株式会社(商号は1952年5月27日三菱造船株式会社に変更された)の三つの会社(以下、新しく設立された三つの会社を合わせて「第二会社」とする)が設立された。その後、中日本重工業株式会社が1964年6月30日東日本重工業株式会社、西日本重工業株式会社の二つの会社を吸収合併することで、現在の被告となった。この過程で旧三菱の従業員は職位、給料をそのままにし、旧三菱での在職期間を通算して退職金を算定することにして第二会社に継承されたし、第二会社の初代社長は全て旧三菱の常務理事たちが就任した。また、被告自身も旧三菱を、被告の企業の歴史の一つの部門に認めている。

  3) 会社経理応急措置法は「特別経理会社に該当する場合、その会社は指定時(1946年8月11日00:00を指す。第1条第1号)に新勘定と旧勘定を設定し(第7条第1項)、財産目録上の動産、不動産、債権、その他財産に対しては、「会社の目的である現在行っている事業の継続及び戦後産業の回復振興に必要なもの」に限って指定時に新勘定に属し、その他は原則的に指定時に旧勘定に属し(第7条第2項)、指定時以後の原因に基づいて発生した収入及び支出を新勘定の収入及び支出に、指定時以前の原因に基づいて発生した収入及び支出は旧勘定の収入及び支出に経理処理し(第11条第1、2項)、旧債権に対しては返済など消滅行為を禁止するものの、例外的に返済を認める場合にも旧勘定で返済しなければならず、新勘定で返済する場合は特別管理人の承認など一定の要件を備えた場合、一定の金額の限度だけで可能(第14条)なものと規定している。

  4) 旧三菱は会社経理応急措置法、企業再建整備法に従って、1946年8月11日午前0時を基準として新勘定と旧勘定を分離した後、「会社の目的である現在行っている事業の継続及び戦後産業の回復振興に必要な動産、不動産、債権、その他の既存財産など」を新勘定に属するようにした後、上記財産を現物出資して3つの第二会社を設立し、その他その時までに発生した債務を主とした旧勘定上の債務を負担しながら清算会社になった旧三菱は、1957年3月25日に設立された菱重株式会社に吸収合併されて1957年10月31日に解散した。

キ、太平洋戦争終戦以後の状況

 1)対日平和条約の締結
   太平洋戦争が終戦した後、1951年9月8日米国サンフランシスコ市で米国、英国等を含む連合国と日本国は、戦後の賠償問題を解決するために対日平和条約を締結したが、同条約第4条(a)は「大韓民国を含む上の条約第2条に規定された地域に存在する日本国及びその国民の財産、並びに同地域の統治当局及びその国民を相手とした請求権と日本国に存在する同地域の統治当局及びその国民所有の財産、並びに同地域の統治当局及びその国民の日本国及び日本国国民に対する請求権の処理は、日本国と同地域の統治当局間の特別協定が規定するところに従う」と定めた。

2)大韓民国と日本国間の国交正常化のための条約と付属協定の締結
対日平和条約第4条(a)の規定趣旨に従って、1951年末頃から大韓民国政府と日本国政府の間で国交正常化及び戦後補償問題が議論され始め、最終的に1965年6月22日「国交正常化のための大韓民国と日本国間の基本関係に関する条約」とその付属協定の一つとして「大韓民国と日本国間の財産及び請求権に関する問題の解決と経済協力に関する協定」(以下、「請求権協定」とする)が締結されたが、請求権協定は第1条で「日本国が大韓民国に、10年間にわたり3億ドルを無償で提供し、2億ドルの借款を行うことにする」と定めると共に、第2条で次のように定めた。

1. 両締約国は両締約国及びその国民(法人を含む)の財産、権利及び利益と両締約国及びその国民間の請求権に関する問題が、1951年9月8日サンフランシスコ市で署名された日本国との平和条約第4条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたことを確認する。

3. 2.の規定に従うことを条件として、一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益として、本協定の署名日に他方の締約国の管轄下にあるものに対する措置と一方の締約国及びその国民の他方締約国及びその国民に対するすべての請求権であって同日付以前に発生した事由に起因するものに関しては、いかなる主張もできないこととする。
また、請求権協定に対する合意議事録(Ⅰ)は、上の第2条に関して次のように定めている。

(a) 「財産、権利及び利益」というのは法律上の根拠に基づき、財産的価値が認められるすべての種類の実体的権利をいうことで了解された。

(e) 同条3.により執られる措置は、同条1.にいう両国及びその国民の財産、権利及び利益と両国及びその国民間の請求権に関する問題を解決するために執られる、各国の国内措置をいうことで意見の一致を見た。

(g)同条1.でいう完全かつ最終的に解決されたことになる両国及びその国民の財産、権利及び利益と両国及びその国民間の請求権に関する問題には、韓日会談で韓国側から提出された「韓国の対日請求要綱」(いわゆる8項目)の範囲に属するすべての請求が含まれており、したがって同対日請求要綱に関してはいかなる主張もできなくなることを確認した。
そして上の合意議事録に指摘された対日請求8項目は、「①1909年から1945年まで間に、日本が朝鮮銀行を通じて韓国から搬出した地金及び地銀の返還請求、②1945年8月9日.現在及びその後の日本の対朝鮮総督府債務の返済請求、③1945年8月9日.以後、韓国から振り替えまたは、送金された金員の返還請求、④1945年8月9日.現在、韓国に本店、本社または主事務所がある法人の在日財産の返還請求、⑤韓国法人または韓国自然人の日本銀行券、被徴用韓国人の未収金、補償金及びその他請求権の返済請求、⑥韓国人の日本国または日本人に対する請求として①ないし⑤に含まれないものは韓日会談成立後、個別に行使できることを認めること、⑦前記諸財産または請求権から生じた諸果実の返還請求、⑧前記返還及び決済は協定成立後、即時開始して遅くとも6ヶ月に完了すること」等である。

3)請求権協定に沿う後続措置
ア)請求権協定が締結されたことに従って日本は1965年12月17日「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律」(法律第144号。以下、「財産権措置法」とする)を制定・施行したが、その内容は「大韓民国、又はその国民の日本国、又はその国民に対する債権、又は担保権であって協定第2条の財産、利益に該当するものを1965年6月22日に消滅したことにする。」というものである。

 イ) 一方、大韓民国は請求権協定に依って支給される資金を使用するための基本的事項を定めるために1966年2月19日「請求権資金の運用及び管理に関する法律」1)を制定し、
                 
1)第5条第1項 大韓民国国民が持っている1945年8月15日以前までの日本国に対する民間請求権は、この法で定める請求権資金の中で補償しなければならない。
第2項 前項の民間請求権の補償に関する基準、種類、限度等の決定に必要な事項は、別途法律で定める。

これを継いで1971年1月19日「対日民間請求権申告に関する法律」2) を制定して10ヶ月間、国民の対日請求権申告を受付けた結果、総109,540件の申告があったが、同申告分に対する実際の補償を執行するために1974年12月21日「対日民間請求権補償に関する法律」を制定して1975年7月1日から1977年6月30日までの間に総83,519件に対して総9,187,693,000ウォンの補償金を支給したし、上の各法律は1982年12月31日すべて廃止された。

<3へ続く>
by fujikoshisosho | 2013-11-08 18:06 | 韓国レポート


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