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2013.11.1 名古屋三菱訴訟 韓国光州地方法院判決文2

カ、被告の設立

 1) 旧三菱は日本の敗戦以後、日本内で連合国最高司令部(GHQ)の財閥解体政策に従うと共に、敗戦に因って日本の企業が負担することになる莫大な金額の賠償及び労務者に対する未支給賃金債務等の解決のために制定された、日本の会社経理応急措置法上の特別経理会社、企業再建整備法上の特別経理株式会社に指定された後、1949年7月4日企業再建整備法に依る再建整備計画認可申請をして、1949年11月3日申請した内容通りに主務大臣の認可を受けた。

 2) 旧三菱は1950年1月11日、その再建整備計画に従って解散することにして同じ日、旧三菱の現物出資等に依り企業再建整備法上の新しい会社である中日本重工業株式会社(商号は1952年5月29日新三菱重工業株式会社に、1964年6月1日三菱重工業株式会社に変更された)、東日本重工業株式会社(商号は1952年5月27日三菱日本重工業株式会社に変更された)、西日本重工業株式会社(商号は1952年5月27日三菱造船株式会社に変更された)の三つの会社(以下、新しく設立された三つの会社を合わせて「第二会社」とする)が設立された。その後、中日本重工業株式会社が1964年6月30日東日本重工業株式会社、西日本重工業株式会社の二つの会社を吸収合併することで、現在の被告となった。この過程で旧三菱の従業員は職位、給料をそのままにし、旧三菱での在職期間を通算して退職金を算定することにして第二会社に継承されたし、第二会社の初代社長は全て旧三菱の常務理事たちが就任した。また、被告自身も旧三菱を、被告の企業の歴史の一つの部門に認めている。

  3) 会社経理応急措置法は「特別経理会社に該当する場合、その会社は指定時(1946年8月11日00:00を指す。第1条第1号)に新勘定と旧勘定を設定し(第7条第1項)、財産目録上の動産、不動産、債権、その他財産に対しては、「会社の目的である現在行っている事業の継続及び戦後産業の回復振興に必要なもの」に限って指定時に新勘定に属し、その他は原則的に指定時に旧勘定に属し(第7条第2項)、指定時以後の原因に基づいて発生した収入及び支出を新勘定の収入及び支出に、指定時以前の原因に基づいて発生した収入及び支出は旧勘定の収入及び支出に経理処理し(第11条第1、2項)、旧債権に対しては返済など消滅行為を禁止するものの、例外的に返済を認める場合にも旧勘定で返済しなければならず、新勘定で返済する場合は特別管理人の承認など一定の要件を備えた場合、一定の金額の限度だけで可能(第14条)なものと規定している。

  4) 旧三菱は会社経理応急措置法、企業再建整備法に従って、1946年8月11日午前0時を基準として新勘定と旧勘定を分離した後、「会社の目的である現在行っている事業の継続及び戦後産業の回復振興に必要な動産、不動産、債権、その他の既存財産など」を新勘定に属するようにした後、上記財産を現物出資して3つの第二会社を設立し、その他その時までに発生した債務を主とした旧勘定上の債務を負担しながら清算会社になった旧三菱は、1957年3月25日に設立された菱重株式会社に吸収合併されて1957年10月31日に解散した。

キ、太平洋戦争終戦以後の状況

 1)対日平和条約の締結
   太平洋戦争が終戦した後、1951年9月8日米国サンフランシスコ市で米国、英国等を含む連合国と日本国は、戦後の賠償問題を解決するために対日平和条約を締結したが、同条約第4条(a)は「大韓民国を含む上の条約第2条に規定された地域に存在する日本国及びその国民の財産、並びに同地域の統治当局及びその国民を相手とした請求権と日本国に存在する同地域の統治当局及びその国民所有の財産、並びに同地域の統治当局及びその国民の日本国及び日本国国民に対する請求権の処理は、日本国と同地域の統治当局間の特別協定が規定するところに従う」と定めた。

2)大韓民国と日本国間の国交正常化のための条約と付属協定の締結
対日平和条約第4条(a)の規定趣旨に従って、1951年末頃から大韓民国政府と日本国政府の間で国交正常化及び戦後補償問題が議論され始め、最終的に1965年6月22日「国交正常化のための大韓民国と日本国間の基本関係に関する条約」とその付属協定の一つとして「大韓民国と日本国間の財産及び請求権に関する問題の解決と経済協力に関する協定」(以下、「請求権協定」とする)が締結されたが、請求権協定は第1条で「日本国が大韓民国に、10年間にわたり3億ドルを無償で提供し、2億ドルの借款を行うことにする」と定めると共に、第2条で次のように定めた。

1. 両締約国は両締約国及びその国民(法人を含む)の財産、権利及び利益と両締約国及びその国民間の請求権に関する問題が、1951年9月8日サンフランシスコ市で署名された日本国との平和条約第4条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたことを確認する。

3. 2.の規定に従うことを条件として、一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益として、本協定の署名日に他方の締約国の管轄下にあるものに対する措置と一方の締約国及びその国民の他方締約国及びその国民に対するすべての請求権であって同日付以前に発生した事由に起因するものに関しては、いかなる主張もできないこととする。
また、請求権協定に対する合意議事録(Ⅰ)は、上の第2条に関して次のように定めている。

(a) 「財産、権利及び利益」というのは法律上の根拠に基づき、財産的価値が認められるすべての種類の実体的権利をいうことで了解された。

(e) 同条3.により執られる措置は、同条1.にいう両国及びその国民の財産、権利及び利益と両国及びその国民間の請求権に関する問題を解決するために執られる、各国の国内措置をいうことで意見の一致を見た。

(g)同条1.でいう完全かつ最終的に解決されたことになる両国及びその国民の財産、権利及び利益と両国及びその国民間の請求権に関する問題には、韓日会談で韓国側から提出された「韓国の対日請求要綱」(いわゆる8項目)の範囲に属するすべての請求が含まれており、したがって同対日請求要綱に関してはいかなる主張もできなくなることを確認した。
そして上の合意議事録に指摘された対日請求8項目は、「①1909年から1945年まで間に、日本が朝鮮銀行を通じて韓国から搬出した地金及び地銀の返還請求、②1945年8月9日.現在及びその後の日本の対朝鮮総督府債務の返済請求、③1945年8月9日.以後、韓国から振り替えまたは、送金された金員の返還請求、④1945年8月9日.現在、韓国に本店、本社または主事務所がある法人の在日財産の返還請求、⑤韓国法人または韓国自然人の日本銀行券、被徴用韓国人の未収金、補償金及びその他請求権の返済請求、⑥韓国人の日本国または日本人に対する請求として①ないし⑤に含まれないものは韓日会談成立後、個別に行使できることを認めること、⑦前記諸財産または請求権から生じた諸果実の返還請求、⑧前記返還及び決済は協定成立後、即時開始して遅くとも6ヶ月に完了すること」等である。

3)請求権協定に沿う後続措置
ア)請求権協定が締結されたことに従って日本は1965年12月17日「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律」(法律第144号。以下、「財産権措置法」とする)を制定・施行したが、その内容は「大韓民国、又はその国民の日本国、又はその国民に対する債権、又は担保権であって協定第2条の財産、利益に該当するものを1965年6月22日に消滅したことにする。」というものである。

 イ) 一方、大韓民国は請求権協定に依って支給される資金を使用するための基本的事項を定めるために1966年2月19日「請求権資金の運用及び管理に関する法律」1)を制定し、
                 
1)第5条第1項 大韓民国国民が持っている1945年8月15日以前までの日本国に対する民間請求権は、この法で定める請求権資金の中で補償しなければならない。
第2項 前項の民間請求権の補償に関する基準、種類、限度等の決定に必要な事項は、別途法律で定める。

これを継いで1971年1月19日「対日民間請求権申告に関する法律」2) を制定して10ヶ月間、国民の対日請求権申告を受付けた結果、総109,540件の申告があったが、同申告分に対する実際の補償を執行するために1974年12月21日「対日民間請求権補償に関する法律」を制定して1975年7月1日から1977年6月30日までの間に総83,519件に対して総9,187,693,000ウォンの補償金を支給したし、上の各法律は1982年12月31日すべて廃止された。

<3へ続く>
by fujikoshisosho | 2013-11-08 18:06 | 韓国レポート

2013.11.1 名古屋三菱訴訟 韓国光州地方法院判決文1

(翻訳者注 : 韓国語の人名や地名は、初出のみ日本語読みを片仮名で表記した。
法律条文等は日本語の原文引用ではなく、韓国語に訳された原文を日本語に訳した。
日本語翻訳 責任 李洋秀(イー・ヤンス)

2012カ合10852
判 決 書


光州(クァンジュ)地方法院(裁判所)


目次
    (判決書の原文には目次がないが、翻訳者が便宜上作成した)

判決                       ・・・・・・・・  4
主文  ・・・・・・・・  4
請求趣旨 ・・・・・・・・  4
理由 ・・・・・・・・  5
1. 認定事実                ・・・・・・・・  5 
ア、当事者らの地位               ・・・・・・・・  5
イ、日本の韓半島(朝鮮半島、以下「朝鮮半島」とする)侵奪と太平洋戦争等の勃発
                        ・・・・・・・・  5
ウ、原告らの勤労挺身隊支援等          ・・・・・・・・  6
エ、勤労挺身隊と慰安婦の区別 ・・・・・・・・  7
オ、日本国の強制労働禁止条約加入    ・・・・・・・・  7 
カ、被告の設立                 ・・・・・・・・  8
キ、太平洋戦争終戦以後の状況      ・・・・・・・・  9
 1)対日平和条約の締結
2)大韓民国と日本国間の国交正常化のための条約と付属協定の締結
3)請求権協定に沿う後続措置
 ク、民官共同委員会の開催             ・・・・・・・・  11
 ケ、第2次世界大戦終了後の各国の戦後賠償     ・・・・・・・・  11
  1)ドイツ国のケース
2)米合衆国のケース
3)カナダのケース
4)日本国のケース
 コ、日本での訴訟経過と原告らの          ・・・・・・・・  13
2.本案前の抗弁に関する判断             ・・・・・・・・  13
 ア、被告の主張                  ・・・・・・・・  13
 イ、判断                    ・・・・・・・・  14
3. 本案に関する判断                 ・・・・・・・・  14
 ア、当事者の主張要旨               ・・・・・・・・  14
  1) 原告らの主張                 ・・・・・・・・  14
2) 被告の主張                  ・・・・・・・・  15
イ、旧三菱の不法行為責任の成立          ・・・・・・・・  15       
 1)準拠法の決定                  ・・・・・・・・  15
 2)判断                     ・・・・・・・・  16
ウ、原告らに関する本件、日本の判決の既判力認定に関して ・・・・・・・・  16
エ、被告が旧三菱の債務を負担するかに関して      ・・・・・・・・  18
オ、請求権協定によって原告らの請求権が消滅したという主張に関する判断 19
カ、消滅時効の完成主張に関する判断          ・・・・・・・・  20
 1)準拠法の決定                   ・・・・・・・・  20
 2) 消滅時効が完成したという抗弁の可否        ・・・・・・・・  21
キ、損害賠償の範囲に関する判断            ・・・・・・・・  22
 1)慰謝料の金額                   ・・・・・・・・  22
 2)原告金中坤の相続分に関する判断          ・・・・・・・・  24
 3)遅延損害金の起算日                ・・・・・・・・  24
ク、小結論                      ・・・・・・・・  25
4.結論                         ・・・・・・・・  25

光州地方法院
  第12民事部 

判決
事件 2012カ合10852
原告 1. 梁錦徳(ヤン・クムドク) 光州広域市 以下省略
2. 李東連(イー・ドンリョン) 光州広域市 以下省略
3. 朴海玉(パク・ヘオク) 光州広域市 以下省略
4. 金性珠(キム・ソンジュ)京畿道(キョンギド)安養市(アニャンシ)以下省略
5. 金中坤(キム・チュンゴン)蔚山市 以下省略
原告らの訴訟代理人 法務法人イウス
担当弁護士 弁護士 林仙淑(イム・ソンスク)、弁護士 金偵鎬(キム・ジョンホ)
原告らの訴訟代理人弁護士 鄭彩雄(チョン・チェウン)、李尚甲(イー・サンガプ)、
林台浩(イム・テホ)、金正熙(キム・ジョンヒ)、程仁基(チョン・インギ)、
金相訓 (キム・サンフン) 
被告 三菱重工業株式会社
日本国東京都港区港南2-16-5
代表取締役 大宮英明
訴訟代理人弁護士 金勇出(ヨンチュル)
弁論終結 2013年10月4日
判決宣告 2013年11月1日

主文
1.被告は原告梁錦徳、李東連、朴海玉、金性珠に各150,000,000ウォン、原告金中坤に80,000,000ウォン及び上の各金額に対して2013年10月4日から年5%の、次の日からすべて払い終える日までは年20%の各比率による金を支給せよ。
2.原告らの残りの請求を各棄却する。
3.訴訟費用の1/4は原告らが、3/4は被告が各負担する。
4.第1項は仮執行できる。
 
請求趣旨
被告は原告梁錦徳、李東連、朴海玉、金性珠に各200,000,000ウォン、原告金中坤に450,000,000ウォン及び上の各金額に対して、本件の訴状送達翌日からすべて払い終える日までは年20%の比率による金を支給せよ。


理由
1.認定事実
ア、当事者らの地位
亡金淳禮(キム・スルレ) 、亡金福禮(キム・ボンネ)と原告梁錦徳、李東連、朴海玉、金性珠(以下「原告ら」とする)は皆1929年頃から1931年頃の間に韓半島(朝鮮半島、以下「朝鮮半島」とする)で出生した韓国人であり、原告金中坤は亡金淳禮の夫であり 、亡金福禮の兄である。三菱重工業株式会社(被告と区別して「旧三菱」とする)は日本で設立され、機械製作所、造船所等を運営する会社である。
イ、日本の朝鮮半島侵奪と太平洋戦争等の勃発

  1) 日本政府は1910年8月22日、大韓帝国と間に韓日合併条約を締結した後、1937年頃起きた中日戦争と1941年頃起きた太平洋戦争を継続しながら、軍需産業での労働力不足が深刻化すると、これを解決するために1938年4月頃「国家総動員法」を、1939年7月頃「国民徴用令」をそれぞれ公布し、朝鮮半島では募集形式の労務動員計画を実施して、労働力の統制と総動員体制を確立しようとしたし、1940年頃には「朝鮮職業紹介所令」を公布し、1941年頃には「国民勤労報国協力令」を施行し、1942年頃には「国民動員計画」を立て、戦争のための軍需産業に必要な労働力動員を拡大させて行った。

2) 日本政府は1943年9月13日次官会議で、必要な女性勤労要員を確保するために「新規学校卒業者、14歳以上の未婚者、整備されるべき不急不要学校在学者、企業整備に依る転職可能者」を動員対象に、「航空機関系工場、政府作業窓」を配置場所に、「道庁府県の指導の下、市郡村長に就職勧奨を努力するようにさせて、班常会、部落会、隣組、婦人会、学校長らを相手に積極的に協力させ道庁府県の指導の下、学校長らが学校卒業者たちを対象に女子挺身隊を募集すること」を動員方法とする「女子勤労動員の促進に関する件を議決したし、1944年3月18日には「女子挺身隊制度強化方策要綱」を決定し、日本国内の女性たちを強制的に挺身隊に組織させ、必要な業務に協力することを命令することが可能なようにしたし、1944年6月21日には「女子挺身隊受入側措置要綱」を決定した。日本政府は1944年8月23日「女子挺身勤労令(1944年勅令第519号)」を公布施行し、朝鮮半島でも施行した。

3) 朝鮮半島での勤労挺身隊動員は上のような「女子挺身勤労令」の施行前から行われていたが、1944年頃以後は特に増えて国民学校(現在の初等学校=日本の小学校)を通じて、国民学校の6年生や国民学校の卒業生たちを対象に募集が行われた。

4) 女子挺身隊制度強化方策要綱及び女子挺身勤労令では基本的に国民登録者である女性たちを挺身隊隊員とすることと定めているが、当時朝鮮半島で女性の国民登録は技能者、即ち12歳以上40歳未満の技能者で中学校程度の学校卒業者または実力と経験に依って鉱山技術士、電気技術者、電気通信技術者等で現職に就業していたり、依然に働いたことのある者だけに限定されており、国民登録者の範囲は極めて狭かった。しかし上の女子挺身隊制度強化方策要綱及び女子挺身勤労令には「特に志願をした者は挺身隊員とすることを妨げない」と規定していたので、朝鮮半島ではやはり上のように志願という形式で勤労挺身隊の募集が行われた。募集された
勤労挺身隊員たちは旧三菱工場、不二越鋼材工業株式会社富山工場、株式会社東京麻糸紡績、株式会社(東京麻糸)沼津工場等の軍需工場に動員された

5) 女子挺身勤労令は勤労挺身隊を受け入れようとする者は地方長官(日本の都道府県知事に相当)にこれを請求または申請し、地方長官がその必要性を認めれば市町村長その他団体の長または学校長に対して隊員の選抜を命じ、その結果の報告を受けて地方長官が隊員を決定し通知すれば、この通知を受けた者は勤労挺身をし、勤労挺身隊を受け入れた者が原則的にその経費を負担することと規定している。

ウ、原告らの勤労挺身隊支援等

1) 原告らは1944年5月頃、自身が卒業したり在学中の国民学校の校長、担任教師 
や隣組の愛国班班長から、勤労挺身隊に志願して日本に行けば上級学校に進学させてくれ、お金も儲けられるという話を聞いて勤労挺身隊に志願した。原告らの家族は、原告らが勤労挺身隊に志願するのを反対したが、勤労挺身隊志願を勧誘した人たちは満13、14歳に過ぎない原告らに、勤労挺身隊に志願しなければ家族に危害を加えると脅迫したりした。

2) 原告らは1944年5月末頃、各自の住居地付近で他の勤労挺身隊員たちと集結し、彼女らと共に列車に乗り、麗水(ヨス)に行って船に乗って、日本の下関港に到着し、そこから汽車に乗り名古屋まで移動し、そこにある当時旧三菱の名古屋航空機製作所道徳工場(以下「本件の工場」とする)に行った。

3) 原告らは本件の工場、第四菱和寮に労務者として配置されたが、原告梁錦徳、李東連、亡金淳禮は飛行機部品にペイント塗をする仕事を、原告朴海玉はジュラルミン板に飛行機部品を描いて運ぶ仕事を、原告金性珠はジュラルミン板を切断する仕事を、原告亡金福禮は長いパイプに布を結ぶ仕事をした。原告らは作業をしている途中でよそ見をしたり、話をすることはできなかったし、トイレに行くのにも許可を得なければならず、日本人班長から暴力を振るわれたりした。原告らは原告金性珠が作業の途中に切断機で左手の人差し指を切り取られる傷害を負う等、作業中に怪我をしたりしたが、適切な治療は受けられなかった。

4) 原告らは各自の作業場で、日曜日を除いては毎日朝8時から夕方6時まで 上のような労働をしなければならず、一日の作業が終ると旧三菱が用意した寄宿舎に帰って食事をしたが、食事の量や質は著しく粗末で、4坪程の狭い部屋に6~8人の勤労挺身隊員が詰め込まれて生活した。朝鮮半島に残っている家族との書信交換も事前検閲に依って、その内容が制限された。

5) 原告らは自由な外出ができなかったし、集団で外出する時にも監視員が同行した。原告らは元来の約束とは異なり、学校教育も受けられなかったし、賃金を支給された事実もない。

6) 1944年12月7日午後1時30分頃、東南海地震が発生したが、亡金淳禮は本件の工場のうち、相当部分が崩壊して死亡したし、原告梁錦徳は天井が崩れ落ち鉄の棒が脇腹を貫通する傷害を負った。

7) 東南海地震以後、名古屋への空襲がひどくなると1945年1月頃本件の工場のうち、本部事務所、組立、部品制作部門は富山県にある大門工場に移転し、原告らも1945年春頃大門工場に移動した。日本が1945年8月15日第2次世界大戦に敗れると勤労挺身隊員らは1945年10月頃朝鮮半島に帰国した。

8) 原告らは帰国以後、周辺の人たちが勤労挺身隊員を慰安婦と誤認するや、勤労挺身隊員として日本に行って来た事実を隠したが、原告梁錦徳は結婚して10年程過ぎた後、その事実を知ることになった夫が家出したし、原告李東連は夫が死亡するまでその事実を隠し通したし、原告朴海玉はその事実を知ることになった夫と1994年10月頃離婚したし、原告金性珠はその事実を知ることになった夫から暴行を受け続けた。

エ、勤労挺身隊と慰安婦の区別

 1) 1930年代以後、特に日中戦争や太平洋戦争が全面化する1938年頃から1945年頃に至るまで、朝鮮半島の女性のうち多数が軍慰安婦として連行されたが、その大部分は10代から20代までで、未成年の女性も多かった。

 2) 上で見たように1943年頃から1945年頃まで、主に国民学校卒業直後の12歳から16歳程度の幼い少女たちが勤労挺身隊員に動員され日本に送られたが、その数は軍慰安婦に比べれば少数である。

 3) 軍慰安婦の場合、警察と軍隊の介入、拉致等の方法で連行されたりしたが、ほとんどは「工場に就職させてあげる」、「腹いっぱい食べられる」、「お金を沢山くれる」等の言葉で騙し、看護士、女子挺身隊、慰問団等に就業させて上げるかのように誘惑する方法で募集した。勤労挺身隊の場合、「女学校に通える」、「働いてお金も儲けられる」と騙して動員したし、ほとんどの場合は上で見たように国民学校の教師、校長、面長(村長に該当)等、行政機関や憲兵が関与して募集した。

 4) 軍慰安婦を募集する時、慰安婦という名前で募集したケースはほとんどなく、従軍看護員、女子挺身隊、慰問団、歌劇団、奉仕隊等、色々な名前で募集した。朝鮮半島では1940年以後、農村挺身隊、学徒挺身隊、報国挺身隊、国語普及挺身隊、報道挺身隊等、朝鮮総督府もしくは日本軍に依って挺身隊という名称が書かれた組織は社会全般にわたっていたし、1944年以後朝鮮総督府は大々的な宣伝で勤労挺身隊を動員した。

オ、日本国の強制労働禁止条約加入

 1) 日本国は1930年6月28日強制労働に関する条約を採択し、上の条約を1932年10月15日批准して、1932年11月21日批准登録した。

 2) 上の条約は強制労働を「ある者が、処罰の脅威の下に強制された、その者が任意に申し出たものでないすべての労務」と規定(上の条約第2条第1項)」している。また上の条約は例外的に強制労働が認定される場合を規定(上の条約第10条第1項)してはいるが、そのような場合でも推定年齢18歳以上45歳以下の壮健な男だけに強制労働させられる規定(上の条約第11条第1項)しており、女性や18歳未満の児童に対しては、いかなる強制労働も禁止している。

 3) 上の条約は合法的な強制労働の場合にも、相当金額の賃金を支給しなければならないと規定(上の条約第14条)している。

<2へ続く>
by fujikoshisosho | 2013-11-08 18:02 | 韓国レポート

2013.11.1 名古屋三菱女子勤労挺身隊訴訟 原告勝訴判決

11月1日、名古屋三菱女子勤労挺身隊訴訟の判決が韓国・光州地方法院(地裁)であり、三菱重工業側に対して賠償命令が出されました。
判決では、1965年の日韓協定で個人請求権は消滅していないとし、原告1人当たりに1億5000万ウォン、遺族には8000万ウォンを支払うよう、三菱重工に命じました。

・・・以下、報道記事から・・・

<11月1日 聯合ニュースより>
韓国地裁 三菱重工に元挺身隊女性への賠償命じる
2013/11/01 16:29

【光州聯合ニュース】太平洋戦争中に徴用され、三菱重工業の軍需工場で働かされた元朝鮮女子勤労挺身隊の女性と遺族計5人が同社を相手取り損害賠償を求めた訴訟で、韓国の光州地裁は1日、原告の主張を認め同社に支払いを命じる判決を言い渡した。

 三菱重工に対し、元挺身隊の女性4人に各1億5000万ウォン(1380万円)、死亡した妻と妹に代わって訴訟を起こした遺族1人に8000万ウォンの計6億8000万ウォンを支払うよう命じた。

 韓国の裁判所が日本企業に戦時徴用被害者に対する賠償を命じたのは、7月のソウル高裁(被告:新日鉄住金)、釜山高裁(同:三菱重工)での差し戻し控訴審に続き3件目となる。

 原告らは1999年3月に日本政府と三菱重工を相手取り日本の裁判所に損害賠償請求訴訟を起こし、敗訴したが、提訴から約14年にして韓国の裁判所で勝訴を収めた。三菱重工は1965年の韓日協定で個人の請求権は消滅したとする日本政府の見解に従って棄却を求めたが、認められなかった。ほかの訴訟の前例に照らし控訴するとみられる。

 光州地裁のイ・ジョングァン部長判事は法廷で原告らに慰労の言葉をかけ、「政府が被害から目を背けている間、15年近く訴訟を続け、ここまで来ることができたのは、市民団体や日本の良心ある人々の力が大きかった。日本の政府と企業が強制徴用の被害に関心を持ち、積極的に(解決に)乗り出してこそ、市民と両国政府の間の感情のしこりも取れるだろう」と強調した。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2013/11/01/0400000000AJP20131101002600882.HTML

<11月2日 北陸中日新聞より>
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11月7日には、いよいよ韓国で不二越訴訟の第一回裁判が開かれます。
by fujikoshisosho | 2013-11-04 12:48 | 韓国レポート

2013.10.4 名古屋三菱女子勤労挺身隊訴訟結審、判決は11月1日

10月4日、韓国・光州地方法院で審理中だった名古屋三菱女子勤労挺身隊訴訟が結審し、11月1日に判決が出ることになりました。

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以下、毎日新聞の報道記事です。
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韓国挺身隊訴訟:原告女性らに初の本人尋問

毎日新聞 2013年10月06日 00時15分(最終更新 10月06日 00時58分)


 【光州(韓国南西部)で大貫智子】日本の植民地時代に女子勤労挺身(ていしん)隊として名古屋市の軍需工場に動員された韓国人女性らが三菱重工業に未払い賃金や慰謝料の支払いを求めた訴訟は4日、光州地裁で原告女性らの本人尋問が行われた。支援団体によると、韓国での訴訟で元挺身隊の女性が証言するのは初めてで、早期解決を訴えた。この日で結審し、来月1日に判決が言い渡される。

 証言したのは梁錦徳(ヤン・クムドク)さん(82)ら。梁さんによると「日本に行けば金を稼げる」などと聞かされ、渡航を決断。しかし、工場では飛行機部品の製造などの重労働を強いられ、賃金も受け取れなかったという。

 また戦後、韓国社会で従軍慰安婦と間違われ、精神的苦痛を受けたと主張。「一日も早く謝罪してほしい」と訴えた。

 梁さんらは以前、日本で同種の訴訟を起こしたが、1965年の日韓請求権協定により、個人請求権は消滅しているとして敗訴が確定。しかし、韓国で別の元徴用工が同社などを訴えた訴訟で、韓国最高裁が昨年5月に個人請求権を認める判断を示し、審理を高裁に差し戻した。これを受け、梁さんらが改めて韓国で提訴した。
by fujikoshisosho | 2013-10-07 21:14 | 韓国レポート

2013.9.13 ソウル市でも女子勤労挺身隊被害者支援条例制定

9月13日、韓国ソウル市でも女子勤労挺身隊被害者支援条例が制定されました。
光州市の「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」が歓迎声明を出しています。
以下、声明の日本語訳を転載します。

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[歓迎声明]

ソウル市議会、女子勤労挺身隊被害者支援条例制定

9月13日、第248回ソウル市議会臨時会本会議で通過。光州(クァンジュ)、京畿道(キョンギド)、全南(チョンナム)に続き4番目...予算に反映しない京畿道に困惑

ソウル市議会が去る13日、臨時会本会議で日帝強占(強制占領)期、日本軍需工場などに連行されて強制労働の苦難に会った女子勤労挺身隊被害ハルモニたちの生活安定と、名誉回復活動を支援する内容の条例を制定したことを積極的に歓迎する。

ソウル市議会によれば、去る13日第248回臨時会本会議でイ・ガンム議員(民主統合党)が代表発議した「ソウル市議会日帝強占期女子勤労挺身隊被害者支援条例」を修正可決した。

条例案によれば、日帝強占期に懐柔および強圧などによって強制的に動員されて軍需会社などで強制労働被害にあった女性として、「対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者など支援委員会」(以下"対日抗争期支援委員会」)の審査により、被害者として決定された人の内、ソウル市に住民登録を置き、1年以上継続居住した被害者らに ▲毎月30万ウォン生活補助費 ▲本人負担金30万ウォン以内の診療費支援 ▲死亡時弔意金100万ウォン支援などが主要な骨子だ。

特に支援対象の強制動員被害女性被害者らに対する実態調査とともに、彼女たちの名誉回復と人権増進のための市長の責務事項を具体的に規定したのがソウル市条例案の特徴だ。
条例は来年1月1日から施行される予定だ。

今回の条例は、光州広域市が去る2012年3月15日、地方自治体の中で最初に「光州広域市日帝強占期女子勤労挺身隊被害者支援条例」を制定した以後、京畿道(2012年10月)、全南道(チョルラナムド)(2013年5月)に続き関連内容の支援条例が作られた4番目の事例だ。特に今回のソウル市議会の条例制定は、日本政府が日帝侵略戦争まで否定して、右翼的な歩みを加速化しているなかで、この間歴史の影に遮られていた女子勤労挺身隊被害者問題を全面に引き出したという点で格別の意味がある。たとえ制限的な支援範囲であっても、自治体支援を通した被害者らに対する名誉回復自体が、加害者である日本政府と戦犯企業らにとっては、そのまま道徳的圧迫になるためだ。

彼女たち強制労働女性被害者らは、解放後今まで「日本で仕事をしてきた」という理由で「日本軍慰安婦」として誤認を受け、社会的偏見と差別に苦しめられ、格別な苦痛を味わってきたが、日本軍「慰安婦」被害者とは違い別途の支援策がなかった。

ソウル市議会の今回の条例制定はこの間、日本軍「慰安婦」被害者らに比べて相対的に疎外感を感じてきた女子勤労挺身隊被害者らを慰める一方、現在の関連する骨子を中心に条例を推進中の他の自治体の動きにも大きい起爆剤になるものと見られる。

惜しいのは京畿道の場合だ。昨年10月制定されて今年1月から施行されるべきだった条例は、今年の予算が一銭も付かず施行さえ出来ずにいる状況だ。京畿道が、すでに制定された条例に対して法規に違反しながらも、なぜ予算を付けずにいるのか、けげんである。

最近知らされたところによれば、「国家が引き受けるべき事務」とか、「他の被害者らとの公平性の問題」、「莫大な財源所要にともなう地方財政悪化」が取り上げ論じられ、とんでもないことに矛先を転じているが、他の自治体が先を争って関連条例を制定したのと比較してみれば、京畿道立場だけがより一層困惑するようになっている格好だ。

歴史の正義がねじれているこの時、すでに作られた良い趣旨の条例を死蔵せず、直ちに施行するように京畿道が早く予算を付与することを再度促すところだ。

2013年 9月16日

勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会
by fujikoshisosho | 2013-09-20 17:11 | 韓国レポート

2013.7 韓国での訴訟判決についての新聞記事

以下、日経新聞の記事です。

2013年8月9日付


【企業】戦時中の韓国人の強制徴用で、日本企業の敗訴相次ぐ。 賠償で資産差し押さえも

戦時徴用訴訟、日韓ビジネスに影 企業の敗訴相次ぐ



戦時中の強制徴用の賠償などを求め、韓国人の元徴用工が韓国で日本企業を訴えた訴訟で、新日鉄住金や三菱重工業などが相次ぎ敗訴している。昨年5月、韓国の大法院(最高裁に相当)が徴用工の請求権は今も効力があるとの判断を示したのがきっかけだ。法的・外交的な解決は容易ではなく、両国のビジネスにも悪影響が出かねない。



■外交上は「解決」

「不当な判決だ」。新日鉄住金の宗岡正二会長兼最高経営責任者は、7月10日のソウル高裁判決にこう反発した。日韓の国家間の請求権に関する問題は、戦後の日韓請求権協定2条に「完全かつ最終的に解決された」とある。日韓両政府もこれを根拠に外交上解決済みという立場だったため、 日本企業の不信感は強い。

当面は高裁判決を受けた韓国大法院の判断がカギになる。日本企業側の上告が認められ逆転勝訴になる可能性も残されているが、大法院の判断が覆えるか不透明だ。

上告が退けられ元徴用工の勝訴が確定したら日本企業はどうなるか。日本国内の資産が差し押さえられる可能性はほぼない。日本では個人の請求権が放棄されたという最高裁判決が確定しており、 矛盾する外国判決は承認されないからだ。

問題は日本企業が韓国内に持つ資産だ。原告勝訴が確定すれば日本企業には賠償義務が生じ、応じないと韓国内にある資産が差し押さえられる。

新日鉄住金も三菱重工も韓国内に生産拠点はないが、差し押さえ対象は売掛債権にも及ぶ。

原告側が取引関係を調べ、裁判所に財産開示命令を申し立てれば取引先に迷惑がかかりかねず、敗訴確定なら賠償に応じざるを得ない可能性もある。

日本企業は簡単に賠償に応じることができるのか。原告勝訴・賠償の流れができれば、今後も同様の訴訟が続発する可能性が高い。韓国内の強制徴用被害者は22万人とされる。

既に死亡し立証が難しいケースが多いとの指摘はあるが、大きな訴訟リスクを抱え続ける。

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO58296870Z00C13A8EA1000/?dg=1
by fujikoshisosho | 2013-08-20 16:43 | 韓国レポート

2013.7.18 韓国で共同記者会見

名古屋三菱女子勤労挺身隊訴訟に関連し、李明洙(イ・ミョンス)韓国国会議員・勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会・名古屋三菱朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会が共同記者会見を行いました。

日韓両政府の無責任と無関心を強く批判すると共に、対日抗争期強制動員被害調査委員会の常設化を通じた徹底した真相調査やILO・国連人権小委員会への提訴、日本戦犯企業の公共機関への入札制限等、積極的な対策を訴えました。


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                   共同記者会見に臨む人々

<この日、被害者が新たに名乗り出られました>
キム○○さん…1929年生まれ、現在85歳。連行時は群山に在住し、創氏改名で金田春子と名乗らされていました。「当時は本当に辛かった」。
昨年、女子勤労挺身隊の運動があるということを知られたそうです。
by fujikoshisosho | 2013-08-11 19:39 | 韓国レポート

2013.7.10 韓国での新日鐵訴訟原告勝訴にあたって

          強制連行企業新日鐵・三菱・不二越は大法院判決に従え!
                   直ちに被害者に賠償せよ!!

 7月10日、韓国・ソウル高等法院は、戦時中、新日鐵に強制連行され、強制労働させられた4人の被害者が損害賠償を求めた訴訟で、賠償金の支払いを命じる判決を出しました。判決では、「日本の支配下での強制動員を不法とみる大韓民国憲法の核心的価値と衝突し、侵略戦争を認めない世界の文明国家の共通価値や日本の憲法にも反する」と「日韓条約により、完全かつ最終的に解決済み」と主張する日本政府・司法を批判し、原告らの主張を全面的に認めました。原告団をはじめ、韓国民衆の闘いが、韓国憲法裁判所、そして大法院判決に続き今回の判決を勝ちとったのです。新日鐵は直ちに原告らに賠償金を支払うべきです。そうしなければ罪を重ねるだけです。

日本政府は、植民地支配と侵略戦争がもたらした被害の賠償を「日韓条約ですべて解決済み」と主張しますが、そもそもこの二国間条約は、当時の軍事独裁政権が韓国民衆の激しい抵抗運動を弾圧して締結されたものであり、韓国「併合」を合法としています。このような条約を韓国の民衆は認めていません。強制連行被害者たちは軍事独裁政権時代、非合法下で遺族会を組織し、仲間たちの生活を支え合いながら、日本の植民地支配の証言者として告発し、その責任追及を闘ってきました。

光州蜂起をはじめ、韓国の民主化闘争はついに軍事独裁政権を打ち倒し、民主化を実現しました。それによって、韓国民衆の闘いは植民地支配を居直る日本政府・企業の戦争責任を追及し、ついに屈辱的な日韓条約そのものを断罪する新しい闘いへと発展しています。

しかし、新日鐵はこの判決に対し「日韓請求権協定、すなわち国家間の正式の合意を否定する不当な判決」と大法院に上告する意志を示し、また菅義偉官房長官は会見でこの判決を批判し、「判決に従う必要はない」と居直りの発言をしています。安倍政権は、侵略戦争を賛美し、軍拡と改憲、靖国の英霊化、独島は「日本の領土」と主張し、再侵略のために排外主義を煽動しています。そして、新日鐵や三菱の意向を受け、韓国での訴訟に対し、「日韓条約で完全に解決している。原告の訴えは棄却されるべき」と意見書まで提出するという断じて許せない姿勢をとっています。これは、領土のためには戦争も辞さないという宣言に等しく、今や強制連行問題は、「慰安婦」問題・領土問題に続く深刻な日韓の外交問題となっています。

私たちは、新日鐵・三菱・不二越と不屈に闘う原告らへの賠償を勝ちとり、戦犯企業と日本政府が全ての被害者へ謝罪と賠償するまで闘い続けます。

                                          2013年7月11日 
              第二次不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会


<以下参考>「読売新聞」 記事

強制徴用、新日鉄住金に賠償命令…ソウル高裁

 【ソウル=門間順平】第2次世界大戦中に朝鮮半島から徴用された韓国人労働者4人が、新日鉄住金(旧新日鉄)に損害賠償などを求めた訴訟の差し戻し控訴審で、ソウル高裁は10日、同社に1人あたり1億ウォン(約880万円)の賠償を命じる判決を言い渡した。

 韓国の裁判所が日本企業に対し、強制徴用の元労働者への賠償を命じるのは初めて。

 韓国内では、日本企業を相手取った同様の訴訟5件が進行中で、今後の判決に影響したり、提訴が広がる可能性も出ている。日本は1965年の日韓請求権協定により賠償問題は解決済みとの立場で、日本の裁判所は韓国人らの請求を退けてきた。

 判決は、強制徴用を「国家権力の関与による、植民地支配と直結した反人道的行為」と認定し、「請求権(の放棄)が同協定の対象に含まれていると見るのは困難だ」などとして、原告の請求権を認めた。また、「侵略戦争の否定は、世界の文明国が追及している」とした。

 判決はさらに、新日鉄住金の財産を差し押さえる仮執行も認定。新日鉄住金が賠償金の支払いを拒否した場合、韓国内の資産が差し押さえられる可能性がある。

 新日鉄住金は同日、上告する考えを示しており、今後は韓国最高裁で争われることになる見通しだ。

   ◇

 新日鉄住金の話「不当な判決であり、まことに遺憾である。速やかに大法院(韓国最高裁)に上告し、当社の主張の正当性を明らかにしていきたい」

(2013年7月10日21時44分 読売新聞)
by fujikoshisosho | 2013-07-14 14:20 | 韓国レポート

2013.5.24 第一回名古屋三菱訴訟傍聴

韓国光州(クァンジュ)市の「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」からの招待で、光州地方法院に提訴された名古屋三菱女子勤労挺身隊訴訟(2012年10月提訴)第一回裁判の傍聴のため訪韓しました。

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5/23 金浦空港から光州空港まで約1時間。空港には、市民の会共同代表金熙鏞(キム・ヒヨン)さんをはじめ事務局長の李國彦(イ・グゴン)さん、事務局次長の安英淑(アン・ヨンスク)さん、先に大邱(テグ)から到着していた岡田卓己(たかし)さんが出迎えてくれました。
市民の会のみなさんと夕食を取りながら予定の確認をしました。

< 代理人を選定しない三菱の問題 >

2012年10月、原告5人が三菱を相手に総額6億ウォンの慰謝料を請求し光州地裁に提訴。2013年1月、光州地裁が訴状を三菱へ。三菱は韓国で代理人を選定していないため、訴状は光州地裁→大法院→韓国の外務省→日本外務省→日本最高裁→東京地裁→三菱という順番で届けられます。書類が三菱に届いたのは三ヵ月後の4月22日。

5月22日の段階では裁判所に三菱からの書類が届いていなかったため、裁判を開く意味がないので中止を決定。しかしその直後、三菱から国際郵便で訴状の「受け取り」(提訴が適法かどうか、適法であったならば棄却すべきと主張、裁判には出席「できない」)が届きました。三菱側は裁判に出席しないが、迅速に裁判を進めたいという裁判所と市民の会の意向で裁判を行うことになった。

裁判をいたずらに引き延ばした三菱の責任は重大で、断罪すべき事柄です。しかも、大法院判決をも否定し、原告への賠償は日韓請求権協定で解決したと争う姿勢を明らかにしています。
原告と支援者たちは怒りをより強めて裁判に臨みました。

5/24 光州地裁 第一回裁判
歴史的裁判始まる

<映像は以下です>
http://www.youtube.com/watch?v=KgV_KY616H8

http://www.youtube.com/watch?v=IExiy0Ybo2g&list=UUCsQUAW_ukZF6vMm34AA_ZA&index=2

裁判所前に、原告のハルモニのみなさんと支援の方が続々と集まってきます。不二越の原告金正珠(キム・ジョンジュ)さんも深夜ソウルを出発し、三菱の原告である姉の金性珠(キム・ソンジュ)さんと駆けつけました。取材のマスコミもたくさん来ていました。
 
裁判所に向かって横断幕を出し、原告を中心にシュプレヒコール「イギジャ(勝利するぞ)!」と声を張り上げて裁判所へ。

韓国の裁判は日本の裁判所のようなピリピリとした雰囲気とは全く違うことに驚きました。威厳的で傍聴に対して警備が厳しいのは日本が特殊のようです。傍聴席は60席ほど。抽選もなければ、うるさく職員が監視もしません。満杯で座れない20人ほどが後ろに立って傍聴。裁判は公開が原則なので、むしろこれが当たり前だと認識しました。傍聴者の顔ぶれは高校生、大学生、女性たち、とにかく若い人が多く、傍聴者の熱意が伝わりました。

原告の代理人は若い男性弁護士2人。原告の氏名を確認した後、最初に裁判官から裁判が中止、そして開かれることになった経緯が説明されました。

原告側代理人の李(イ)弁護士は「勤労挺身隊ハルモニの内一人は日本で裁判中に亡くなったし、今回の事件の原告も皆80代」なので、「類似訴訟が数件進行し、その事件には国内代理人がいるのに、今回の裁判準備が間に合わなかったというのは先送りしようという意図と見えるので、原告が権利救済を受けられるよう速かに裁判を進めてほしい」と要求しました。

裁判所は日本で進行した同じ訴訟、強制動員被害者の個人請求権を認めた大法院判決、来る7月2日宣告予定の釜山(プサン)高裁の類似訴訟記録等を提出するよう、原告側に要請しました。

また慰謝料算定の参考にするために1944年日本の名古屋でハルモニが勤めた事実を立証する記録と、彼女たちが貰えなかった賃金の現在の価値を算定する資料も出すように求めました。

次回裁判日程は5月31日、7月19日、8月23日、8月30日。
裁判の日程を4回も入れたということに、裁判所が原告の意思を尊重し「早期結審」の訴訟指揮を取っていることが示されています。
裁判終了後、裁判所前で記者会見集会。その後昼食をとり、弁護士と原告の打ち合わせが持たれました。
この日、市民の会は声明を発表し、韓国外務省に対し、7項目の質問状を送付しました。

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                  裁判終了後の昼食交流会

裁判の後、事務局長の李國彦さんから支援条例についてなど、韓国での状況をお聞きしました。夕方には、市民の会で活動している高校生と夕食交流会も設定していただきました。5月24日は、大法院判決から丁度1年目にあたります。この記念すべき日に、三菱に審判を下す歴史的な裁判に参加する機会をいただき、市民の会の皆さんに感謝いたします。共に三菱を追い詰め、謝罪と賠償を実現させましょう。


<以下、5月31日第二回裁判の様子を伝える新聞記事から抜粋> 

「三菱、勤労挺身隊損害賠償訴訟、国内代理人選任 裁判進行円滑になりそう」

(光州=聯合ニュース)孫相源記者=勤労挺身隊ハルモニたちの損害賠償訴訟に対応するために、被告人三菱重工業側が国内代理人を選任した。
裁判には梁ハルモニら原告3人と原告側李尚甲・金正煕弁護士、被告側キム・ヨンチュル弁護士らが参加した。
裁判長は来る7月2日に予定されている釜山高裁の類似訴訟宣告結果に対する意見も提出するように、原告・被告両側に注文した。
次の裁判は来る7月19日、同じ法廷で開かれる。
 三菱側弁護士は「本社との連絡等に時間がかかり、日程が忙し過ぎる」という意見を提示したりした。
しかし裁判長は「電話も上手く行くし、日本はさっさと行き来できるではないか」と、迅速な裁判進行意志を明かした。
by fujikoshisosho | 2013-06-12 16:49 | 韓国レポート

2013.2.14 韓国で不二越を提訴

2013年2月14日、不二越女子勤労挺身隊被害者たちは、謝罪と補償を求めて韓国のソウル中央地方法院(裁判所)に不二越を提訴しました。
原告は、被害者13名と亡くなられた方4名の遺族18名(準備中)の計31人。
被害者が受けた苦痛に対する損害賠償請求額は1人当たり1億ウォンの計17億ウォンです。

たたかいはいよいよ戦犯企業・不二越を追いつめる段階に入りました。
原告団とともに、不二越に責任を取らせましょう。

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                午前10時、提訴にあたって記者会見

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                記者会見に臨んだ原告団の皆さん

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                       法院前にて

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                  午前11時30分、訴状を提出
by fujikoshisosho | 2013-02-15 16:06 | 韓国レポート


第二次不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会  連絡先  メールhalmoni_fujikoshisoson@yahoo.co.jp   電話 090-2032-4247 住所 〒090-0881富山市安養坊357-35


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3月16日、韓国第三次不二越訴訟の一審判決が出されました。第一次、二次に続き、原告勝訴判決!!

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