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2011/10/24 最高裁棄却決定弾劾!

ハルモニたちとともに、新たな闘いへ

2011年10月24日、最高裁棄却決定が出されました。原告の訴えを紙切れで一方的に切り捨てる不当なものです。原告団から金正珠(キム・ジョンジュ)さんとお孫さん、そして韓国光州(クァンジュ)市の「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」(以下、「市民の会」と略称)から、金煕鏞(キム・ヒヨン)代表と李國彦(イ・グゴン)事務局長が初めて来日され、4日間にわたる行動が闘い抜かれました。
金正珠さんは、「お姉さん(実際には名古屋三菱に強制連行された)に会える」と日本人教師にだまされて不二越に連れて来られた方です。市民の会は、現在、名古屋三菱に強制連行されたハルモニたちの支援活動を行っています。

まず10月28日には、富山県庁前で行われていた志賀原発廃炉を求める座り込みに参加。この座り込みは、東京で福島の女性たちが座り込みを行っていることに連帯した行動です。金正珠さんから棄却決定への激しい怒りと支援の訴えが表明され、金煕鏞代表からも連帯のアピールがありました。
その後、富山県民会館で緊急記者会見を行いました。金正珠さんが棄却決定を弾劾する緊急声明を読み上げ、不二越に連れて来られたのは誘拐であること、不二越でのつらい生活などを、集まった記者たちに訴えました。その後、市民の会から「歴史的責任にまで免罪符が与えられたのではない!」という声明文が読み上げられました。
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29日、午前中は金沢の尹奉吉(ユン・ボンギル)義士暗葬の地を訪問し、墓参をしました。尹奉吉義士は、1932年、上海で開かれた日本軍の天皇誕生日記念式典で爆弾を投げ、日本人将校らを殺傷した独立運動家です。金沢で処刑され、遺体は人の踏みつける道端に密かに埋められました。韓国では義士と呼ばれ、尊敬されています。
午後1時からは石川県教育会館で、裁判中に亡くなられた方々の遺影を前に、弁護団とともに記者会見。原告団、弁護団、市民の会、当連絡会がそれぞれ弾劾声明を発表しました。
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                         第2次不二越訴訟原告団声明
                                               2011年10月29日

最高裁判所「棄却」判決に対しやり場のない怒りで体が震える。
提訴から8年半。私達原告の最高裁にかけた最後の望みは、こなごなに踏みにじられた。
不二越等の戦犯企業と一体となった日本の最高裁判所決定を私達は絶対に許さない。私達は、日本国の植民地支配と企業の戦争責任を追及して、今後も一層力強く闘い続けることを宣言する。
歴史の真実を何ものも覆い隠すことはできない。皇民化教育で本名も言葉も奪った。「勉強できる」とだまして不二越軍需工場で重労働を強いた。食事も布団も与えず、1日14時間の重労働で私達の人生全体を破壊した。
これらは大日本帝国と不二越企業が、我々に犯した戦争犯罪である。すでに訴訟中4人の仲間が亡くなった。今後も、国と企業が居直り続けるなら、我々は未来永劫、不二越と日本国を許さない。
韓国はもとより、世界がその門から、反省なき戦犯企業・不二越を閉め出す。戦犯企業には未来への扉は固く閉ざされる。戦争犯罪者こそが歴史によって裁かれるのだ。我々は、真の謝罪と補償がなされるまで命の限り闘う。
私の命が尽きるなら子や孫が引き継ぐ。
この怒りと恨を胸に未来永久、私たちは闘い続け、必ず勝利する!
国と不二越は歴史を直視し真摯に謝罪せよ!
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                      最高裁棄却決定に対する弾劾声明
                                               2011年10月28日
 
10月24日、最高裁は第二次不二越強制連行、強制労働賠償訴訟の上告請求に対し棄却決定を下した。1600名を超える被害者・原告たちの解決を求める心底からの訴えを退け、地裁・高裁による詳細な被害事実の認定さえも無視し、最高裁の名で損害賠償と尊厳回復の道を閉ざした。この棄却決定は、被害者に対する国家による暴力の再行使であり、極めて深刻な人権侵害である。
最高裁はこれまで、戦争・植民地支配被害の補償を求める被害者の声をことごとく無視してきた。数々の戦後補償裁判において、アジア諸国への侵略と虐殺、軍事的性奴隷、強制連行、強制労働等の戦争犯罪の罪を正当化し、歴史を矮小化してきた。またしても今回、憲法の平和主義、民主主義、人権尊重の擁護者であるべき最高裁自らが憲法の原理を踏みにじり、法の最後の砦としての自己の責務を誤って行使した。罪を裁くべき裁判所が、過去の犯罪を正しく裁かないばかりか、誤った歴史認識を日本国民に植え付けるという二重の罪を犯した。
数えきれないアジア人民の心と体、人生を破壊しておきながら、強制連行企業、子どもたちを皇国兵士として戦場へと駆り立てた文部省、治安維持法を実行した司法省、政治家や官僚の殆どは、敗戦後、何の罪にも問われなかった。今なお、侵略の歴史と向き合わない頑なさの中に居直り続ける日本国家と企業は、今後も世界から傲慢な国として非難を浴び続けるだろう。今回の最高裁棄却は、人類、とりわけアジア人民への挑戦である。
既に原告たちの祖国、韓国においては、公共事業への参入を厳しく規制する「戦犯企業リスト」が作成され、不二越もこの追加リストに記載される事が決定した。謝罪と補償を行わない限り、不二越は韓国から追放されるばかりか、人道と平和を希求する世界の人々からその責任を問われ続けるであろう。今や日本の国家も最高裁も、不二越の最大の共犯者と化してしまった。私たちは、この両者が謝罪と補償を誠実に実行するまでは、決してこれらを許すことはない。
私たちは、今、最高裁の棄却決定によって更に深く傷つけられた原告たちと共に、正義という歴史の扉を叩き続け、勝利の日まで闘い続けることを、ここに宣言する。
                    第二次不二越強制連行強制労働訴訟を支援する北陸連絡会
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そして2時から「ハルモニの証言を聞く集い」が同じ会場で行われました。
まず不二越女子勤労挺身隊の写真と資料をまとめたパワーポイントを上映した後、金正珠さんの証言を聞きました。金正珠さんは時折涙しながら「日本政府は幼い者を奴隷として扱いました」「仕事にはノルマがあり、1人でもこなせないと、全員が寮に戻れませんでした」「トイレに行くにも、少しでも遅くなったらぶたれたり蹴られたりしました」「空襲のために夜も靴を履いたまま寝ました」「あまりの空腹で草を食べました」「栄養失調のため病気で亡くなった人もいました」と、不二越での過酷な生活を語られました。ようやく帰国しても、「慰安婦」と誤解され離婚せざるを得なくなったというつらい思いをされています。「なぜ日本のためにこんなひどい目にあったのかと涙で過ごしました。『内鮮一体』と言われ、天皇のため、不二越のために一生懸命やったのに、不二越にだまされました」。集まった人たちは真剣に聞いていました。
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続いて金煕鏞代表があいさつ。「1980年代光州は我々の国の分水嶺。勤労挺身隊ハルモニたちの涙の山だと実感できます」「2008年に2万6000人の署名を集めて、三菱へ伝達しました。2010年、13万5000名の署名を集めて、三菱と内閣に送付しました。一番最初は、市民たちにこういう問題が我々の問題として存在することを知らせる目的でした。2回目の署名には大きな目標がありました。三菱重工業が、強占下、10万人の市民を強制連行しました。それで我々は象徴的な数字として、10万人の署名を取ることに決めます。それなのに、13万5000の署名を集めることができました。(光州の三菱自動車営業所への)208回にもわたるデモも敢行しました。四季に渡って1回も欠かすことのないこのデモによって営業が成り立たなくなった三菱は、門を閉ざさざるを得ませんでした。厚生労働省に対して99円抗議運動をずっと継続しました。私たちが闘う陰には、名古屋三菱女子勤労挺身隊を支援する日本の皆様の温かい闘いがありました」「私たちは21世紀に向かって、平和と正義と同志愛を奏でる闘いを現在も続けております。この延長線上に皆さんとお会いしたのは偶然ではなくて、歴史の必然だと思っております」「三菱は7月14日に交渉しようと言ってきました。この意義は非常に大きいものがあると思います。不二越訴訟も最高裁で棄却されましたが、人権と良心が必ず勝利し花咲かせます。皆さん、一緒にやっていきましょう」
事務局からは「東京電力は最大の強制連行会社であり、全国のダムに強制連行されています。戦犯企業を戦後も許してしまった結果、今の福島原発事故を引き起こしました。強制連行の問題と原発の問題は一体です」という発言がありました。そして最後は、参加者からの提案で「アリラン」の歌を全員で歌いました。

30日は教育文化会館で光州市民の会との交流会を行いました。始めに、炭鉱などへの強制連行の実態を映した映像と市民の会の活動を紹介した映像を、李國彦事務局長が上映しました。
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その後、金煕鏞代表から発言を受けました。「名古屋三菱も棄却判決後、闘いは激しく、大きくなりました。人権と正義は裁判所の判断よりも高いところにあります。そういうことが常識で通用する社会にもっていかなければなりません」「韓国では政治的民主化はある程度達成されましたが、経済的民主化はまだ達成されていません。韓米FTA阻止が一番の問題です。日本帝国主義以降の歴史が解決されていないから、こういう問題が出てきています」「韓日協定では、日本政府も韓国政府も自国民をだましてきました。内容が全面的に公開されて正しく訂正され、不二越挺身隊被害者たちの問題が完全に解決されるようになってこそ、初めて韓日間の問題は正されます。韓日協定が足を引っ張っています。韓国では見直し運動が始まっています。初めからボタンをかけちがえたのだから、はずしてかけ直さなければなりません。21世紀の価値は命、正義、平和です。今回の棄却で一時的には気持ちがどうだろうかということになるかもしれませんが、こうした普遍的な価値をしっかり考えて、運動がもっと活発になることを願います。希望を持って生きる人が希望です」と提起されました。李國彦事務局長からは、光州で行われている10万人希望リレーが紹介され、会場でも署名と1人100円(韓国では1000ウォン)ずつのカンパが集まりました。

31日は不二越へ行きました。事前に社長面会を要求していましたが、不二越は正門を閉め、金正珠さんが申し入れ書を渡そうとしても一切対応しようとせず、警察を呼ぶ始末です。この日、ハルモニの涙のごとく、激しいにわか雨が降りました。その雨に濡れながら、金正珠さんは門を乗り越えんばかりの気迫で、不二越に対して申し入れ書を受け取ることを迫りました。
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正門前には裁判中に亡くなった方々の遺影が掲げられ、続いて行われた集会には福岡から「関釜裁判を支援する会」の花房さんと、関西生コン労組も駆けつけてくださいました。事務局から次のように提起がありました。「日本中で巻き起こっている、金儲けのために人を人とも思わない電力資本に対する全国的な原発廃止の運動と、この不二越強制連行・未払い賃金問題が完全にリンクし、結合して、原発闘争のスローガンの中に『不二越強制連行を許すな』という声が全国に翻るという事態を招くことを今、不二越自らが選択したわけです。今日を出発点にして新たなスタートが切られるということを、私たちは不二越に警告し、そして宣言します。不二越の運命は、実は不二越が決めることではなくて、アジアの、そして世界の民衆が決めるのです。必ず勝利します」
最後に金正珠さんが「泥棒不二越!私たちが死ぬのを待っているのだろうが、そうはいかない。今日は孫も来ている。光州からも来ている。闘いは2世、3世と続く。肝に銘じろ!」と、あふれんばかりの怒りを込めて不二越を糾弾し、戦闘宣言を発しました。
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不二越闘争は決して今回の最高裁棄却では終わりません。むしろ、闘いは新たなスタートを切ったのです。不二越に謝罪と補償をさせ、そして未払い賃金を支払わせるまで、ハルモニたちと共に闘い抜きましょう。
by fujikoshisosho | 2011-11-17 14:36 | 国内での抗議行動レポート


第二次不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会  連絡先  メールhalmoni_fujikoshisoson@yahoo.co.jp   電話 090-2032-4247 住所 〒090-0881富山市安養坊357-35


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