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2024.10.30 日鉄訴訟原告の「第三者弁済受領」について

10月30日、日鉄訴訟の生存者原告・李春植(イ・チュンシク)さんが韓国政府の「第三者弁済」を受領したとの報道が流れました。
このことについて、韓国で市民団体が出した声明と、李春植さんの長男・李昌煥(イ・チャンファン)さんが記者会見して発表した立場文の日本語訳を転載させていただきます。

[声明書]

■尹錫悦政府は違法な方式による
第三者弁済判決金の強行を直ちに止めろ!


政府の脱法・違法行為が度を超えている。

日本の被告企業の賠償責任に免罪符を与えるために、裁判所の供託を通じて第三者弁済を貫徹させようとした尹錫悦(ユン・ソギョル)政府の策略が、裁判所の供託「不受理」処分で四面楚歌に陥ると、不法な手段で判決金支払いを強要していることがさらけ出た。

報道によれば今日(10月30日)、日帝強制徴用被害の生存者である李春植(イ・チュンシク)さん(104歳)が「第三者弁済」方式の被害賠償方法を受け入れたと知られた。

しかし確認したところ、これは生存当事者である李春植さん本人の意思とは無関係に行われたことが分かった。

これと関連して李春植さんの長男李昌煥(イ・チャンファン)さんは、同日午後の記者会見を通じて「兄弟の一部が最近、日帝強制動員被害者支援財団と接触して、第三者弁済を受領するかについて議論することは知っていたが、本人は反対の立場だった」とし、「兄弟から昨日、父 (本人)が署名するという意思を伝えてきて、今日、兄を説得しようと光州に行く予定だった」と明らかにした。

李昌煥さんは「父の現在の状態は、正常な意思表示ができる状態ではない」と語った。李さんは「しばらく前から、老衰とせん妄症(意識障害)で療養病院に入院しており、正常な意思疎通が難しい状況だ」として、「そのような状況で、父が第三者弁済に同意するという意思表示を強制動員支援財団にしたというのは、息子としては納得できない」と明らかにした。

今回の過程を通じて、政府が第三者弁済を圧迫するために、生存者に対してどんな脱法行為をしているのか、その実態が再び改めてさらけ出ている。

以前、梁錦徳(ヤン・クムドク)さん側が、第三者弁済を受け入れたと報じられたが、これもおばあさんの意思とは無関係であることが分かった。梁錦徳さんの場合、すでに痴呆の判定を受け昨年11月、一年前から闘病生活を続けている状態だった。正常な認知が難しく意思決定能力も困難な状態で、判決金の受領が温全とおばあさんの意志から出たとは考えにくいからだ。

このような中、李春植さんも長い間病床で闘病生活を送っている中で、第三者弁済方式の判決金支給が行われ、物議を醸しだしている。

生存当事者の法的な権利行使は、ただ当事者と本件の法律代理人だけが行なえる。政府が現在、高齢の生存被害者が正常な認知能力がないことを知りながら、むしろこれを利用して法律代理人を差し置いて、違法な手段で無理やり第三者弁済を推進することを強く糾弾する。

日本の戦犯企業の賠償責任に免罪符を与えるために、憲法を破壊しながらまでして、日本に協力する尹錫悦政府は、その歴史的責任を免れないだろう。政府は違法な方法による第三者弁済判決金の強行を直ちに止めよ!

2024年10月30日
日韓歴史正義平和行動
民族問題研究所
日帝強制動員市民の会


強制動員被害者李春植さんの長男李昌煥さんの
2024年10月30日付「李春植の第三者弁済受領」に関する立場

1. 李昌煥は「李春植さんが第三者弁済を受領した」という事実を知りません。

李昌煥は、父李春植の子たちの一部が、最近日帝強制動員被害者支援財団と接触し、第三者弁済の受領の可否について話し合ったことは知っていました。 李昌煥はこれに対して、反対の立場でした。兄弟たちが昨日、李昌煥に署名する意思を明らかにしたので、李昌煥は今日(2024年10月30日.)兄弟たちと協議するため、光州に行く予定でした。 ところが今日の昼頃、ニュースを通じて父李春植が判決金も支給されたという内容を、突然知りました。

2. 父李春植の現在の状態は、正常な意思表示ができる状態ではありません。

父はしばらく前から、老齢とせん妄症で療養病院に入院しており、正常な意思疎通が困難な状態です。鼻につないだ管が抜けることを恐れて、一定な活動の制約を加える措置までしている状況です。そのような状況で父李春植が「第三者弁済に同意する」という意思表示を強制動員支援財団にしたということを、息子として納得できません。

3. 李昌煥は速やかに、兄弟たちに現在の状況がなぜ、どのように発生したのか確認するつもりです。

現在、兄弟の一部と連絡が取れていません。すぐに誰が署名をしたのか、誰がお金を受け取ったのか、確認しようと思います。これを取り消すことができるかかも、話し合います。

2024年10月30日
李春植の長男 李昌煥


# by fujikoshisosho | 2024-10-31 17:02 | 韓国レポート | Trackback | Comments(0)

2024.10.28 不二越門前追悼集会

10月28日、不二越富山事業所正門前で、強制連行犠牲者たちを追悼する集会を行いました。
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追悼の辞

李今順(イ・クムスン)さん・朱錦用(チュ・クミョン)さんを始め、日本の植民地下で不二越に強制連行され、謝罪も賠償も得られないまま無念の内に亡くなられた犠牲者の方々を偲び、ここに追悼の意を表します。

1990年代、徴用工被害者たちによって、日本の戦争責任を追及する闘いが始まりました。強制連行された人々の中には、どこで亡くなったのかさえもわからず、遺骨も戻っていない犠牲者が数多く存在します。

この徴用工闘争は、日本帝国主義の支配と命懸けで闘った独立運動を引き継ぐものとして闘われてきました。原告たちは、命を削るように20年以上闘ってきました。何度も来日して不二越の門前に立ち、謝罪と賠償を訴えてきました。彼女たちは戦争の被害者でありましたが、同時に日本帝国主義による戦争犯罪の告発者であり、人間の尊厳と解放を求めて闘った、尊敬されるべき人たちです。原告たちのこうした闘いによって、ついに今年1月、韓国大法院で原告勝訴判決が勝ち取られました。

しかし、日米韓軍事同盟を優先する日・韓・米政府によって、判決はいまだに履行されないままです。そして、不二越は「強制連行・強制労働・未払い賃金の事実はない」と居直っています。これに対し、原告の金明培(キム・ミョンベ)さんは「歴史の忘却は許されない。謝罪なき不二越に未来はない」と、あくまでも不二越の謝罪と賠償を求めて闘う姿勢を明らかにしておられます。

1923年関東大震災朝鮮人・中国人虐殺から101年。私たち日本の民衆自身が、虐殺に手を染めた歴史を再び繰り返さないことが問われています。今、パレスチナで行われている民族浄化・ジェノサイドに対して、全世界の人々が立ち上がっています。植民地主義の清算は全世界の課題であり、徴用工闘争もそうした歴史的渦中にあります。そしてそれは、同時に私たち自身の闘いでもあります。

来年2025年には、日韓条約60年・江華島侵略から150年の節目を迎えます。私たちは新しい時代に向かって、徴用工被害者・世界の民衆と共に進んでいきます。あらためて闘い半ばで亡くなられた被害者たちの遺志を引き継ぎ、闘うことを誓います。

2024年10月28日
不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会


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# by fujikoshisosho | 2024-10-29 16:27 | 国内での抗議行動レポート | Trackback | Comments(0)

2024.10.27 安田浩一さん講演会「歴史否定の流れに抗う」

10月27日、富山県民会館で安田浩一さん講演会「歴史否定の流れに抗う」を開催しました。
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寄せられた感想
(順不同。個人情報に関わる部分は伏せました)

●根底に弱者を守るという事がある。それが救いになりました。

●ありがとうございました。隣国であるにもかかわらず、教育で朝鮮人への差別、偏見された史実を教えないことが、歴史否定の流れになっていると思う。こんな日本では先が思いやられる。アジア太平洋戦争で日本の加害の事実、国家がウソをついたことを知らない国民が多すぎる。このままでは又昔の日本になってしまうのではと、これからも史実を伝え続けなければならない。終戦時250万人の朝鮮の人が日本にいたと言う。どれだけの人が悲しい思いをしたのだろうかと申し訳ない。反省のないところに進歩はない。

●わたしたちは、「こんなにひどい状況でも、こんなにがんばっている人たちがいるのか」と安心してはいけないと思います。日本の右傾化が、歴史の否定を引きおこしていると、何度も教えられるお話でした。安心している場合ではないですね。「朝鮮人を下に見る、蔑視し、差別する、このような見方が虐殺を生む」という言葉が心に残りました。ヘイトや差別を犯罪とすることは、日本にはできないのか…。わたしはおかしいと思う。でも、若い人にどう伝えたらいいのかと、いつも考えている。安心していてはだめだと思います。安田さんのような人がいると安心している場合じゃないですね。

●とてもよかったです!!安田さんの怒りと、思いは私もずっと持ってました。それを知識と事実に基づいて、沢山の話をしてくださり、とても、すっきりして、共感の連続でした。「差別はいやじゃないんですか」「そうです」そうじゃない人がいるのは何故か??人権教育は本当に大切だと思います。今の学校や、社会の人権というと、このような方々のことを学ぶことがされてないと思います。政治や学習指導要領、変えていきたいです。

●『I Shall not hate』『それでも私は憎まない』2009年イスラエルの戦車によって3人の娘を殺されたパレスチナ人の産婦人科医でイスラエルで働いているアブエライシュさん。本のはじめにイスラエル人の医師言葉「アブエライシュさんはイスラエル人もパレスチナ人も一人一人を見てステレオタイプとして人を見ない」群馬県のこわされた碑「記憶・反省そして友好」記憶と反省のないところでは友好ではなく「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」のヘイトにつながる。

●法の必然性とその目的(200字以内の簡単な文章で)に合致した政治団体を目指してみませんか?正しい目的だったら安田さんなら出来るのでは!?と感じました。

●・昨年は、関東大震災後、朝鮮人を虐殺したお話を聞きました。変な理屈をつけて。本日も、朝鮮人への差別のお話でした。〇〇に住んでいる私には?です。私は〇〇に住んでいるのですが、在日コリアの方(日本に溶け込んでいらっしゃいます)とのつき合いは普通にやっています。町内の役員もされますし?です。but本日のお話をお聞きして、私はそう思っているだけで、相手方は、言いがたい気持をもっておられたのかな?
・安田さんのネトウヨという言葉は後期高齢者の私にもわかります。でも真の中身は理解していなかった。唯、右寄りの思想をもっている、と思っていました。社会の変化だけで済ましてはダメですね。
休憩後の安田さんのお話をお聞きして的外れな感想と反省!!スミマセン。日本人は歴史を否定する。小中学生高校生の教科書に事実を書かない。教えない。これでは歴史に基づいた、この国の未来はナイと言いたい。

●はびこる差別(人の命や生活や人生を嘲笑する)に対する激しい怒りが伝わってくるすばらしい講演だった。以前(「ネットと愛国」が刊行されたころ)に講演を聴いた時も感銘を受けたが、今回、その時から日本社会の状況が改善されない中で、過去から今につながる日本社会の底流にある差別意識へのさらなる怒りを込めた講演だった。

# by fujikoshisosho | 2024-10-29 16:21 | 国内での抗議行動レポート | Trackback | Comments(0)


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