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ニュース106号より(2024年12月発行)

尹錫悦(ユン・ソンニョル)弾劾は始まりに過ぎない
命がけで闘う韓国市民と共に

激動する韓国。尹錫悦大統領が44年ぶりに戒厳令を布告したが、わずか6時間で解除に追い込まれた。国会議員や市民が、この緊急事態に『ソウルの春』『光州(クァンジュ)5.18民主化運動』を重ね合わせ、夜中でも国会に駆け付けたのだ。これまで多くの人が血を流して勝ち取った民主主義を守るために!しかし、尹大統領は12日、辞任せず「北朝鮮の脅威や反国家勢力から韓国を守り戦う」と、談話を発表した。これに対し、連日「尹弾劾!逮捕せよ!」デモが行われ、韓国全土を揺るがしている。

尹錫悦韓国大統領は12月3日22時24分、戒厳令を宣布した。今年夏頃からその噂はあり、「共に民主党」李在明(イ・ジェミョン)代表は、すでに覚悟を決めていた。攻防戦の第一は、国会を死守する事だった。彼は車中からライブ配信し、国会議員と市民に「直ちに国会に結集しよう」と訴えた。駆け付けた国会議員たちは、閉鎖された国会の塀をよじ登って議場に向かった。こうして190人の議員が集まった。
他方、戒厳軍のヘリコプター特殊部隊は、飛行禁止空域を越える手続きで国会への到着が遅れた。国会内では軍の突入を防ぐため、職員がドアや窓をバリケードで封鎖した。軍は窓を破壊して突入したが、消火器の煙に巻かれた。国会議員も国会職員も、命がけで立ち向かった。
国会の外には、続々と市民たちが集まった。「自国民を殺せるのか!」と、兵士の前に立ち塞がり、到着する軍の車両を包囲した。

6時間で戒厳令解除
国会では駆け付けた190名全員一致で戒厳令解除が決議された。ここに、奇跡とも思われる勝利が生まれた。
光州事件で友人が撃たれた時、逃げたことをずっと後悔していたという男性が「今度は逃げたくない」と、涙ながらにインタビューに答えていた。命をかける覚悟を持った人たちの姿は、世界の人々の胸を打った。
朴槿恵(パク・クネ)弾劾のろうそくデモに参加した世代から、それを経験していない10-20代の若者たちも多い。彼らは、学校の授業で近現代史を習っている。昨年公開された、軍事クーデターを扱った映画「ソウルの春」は、1000万人に観られている。参加者は「国民が主人公」「民主主義を守るのは自分」と語る。
寒風の中に立つ一人一人が歴史を作っている。
学ぶ事は余りに巨大だ。

戒厳令は数か月前に計画されていた
10月、韓国軍特殊部隊が平壌(ピョンヤン)にドローン
10月16日、英国BBC放送は「韓国と北朝鮮はここ数カ月、一触即発状態にある。今月、首都・平壌にドローンを飛ばし、対北朝鮮プロパガンダのビラをまいた」と報道した。北朝鮮の政治中枢である首都に韓国のドローンが侵入した事は戦争行為であり、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の斬首作戦を思わせる重大事だ。
これに対し、北朝鮮側は冷静で抑制的な対応をした。「これは武力衝突…戦争につながる挑発行為だ」と表明し、「直ちに軍事境界線の警備部隊に発砲準備を命じた」と、韓国に警告した。
しかし、韓国側はドローン攻撃の事実を隠し、「北朝鮮は自作自演のデマを言っている」という世論工作を行った。北朝鮮は、証拠として写真を公表した。過去に北朝鮮に風船を飛ばした脱北者団体「自由北韓運動連合」の朴相学(パク・サンハク)代表は、「北にドローンを飛ばしたのは自分たちではない」と表明した。韓国は「平和的な統一に向けた取り組みは揺るがない」(統一省)と述べたが、真っ赤なウソだったのだ。北朝鮮への戦争行為を行いながら、すでに戒厳令が準備されていた。

10月17日 遂に北朝鮮は「改憲」に踏み切った
北朝鮮が改憲に踏み切ったのは、「ドローンの自国中枢への侵入を許した」危機感からだ。「すでに韓国は宣戦布告なき戦争に踏み切った」とし、韓国を「敵対国」と表現した。
10月17日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、「憲法で規定された『敵対国家』に対する正当な措置として、韓国につながる道路と鉄道を15日に爆破し、完全に遮断した」と伝えた。

戒厳令の1週間前・戦争挑発
韓国KBSの報道によれば、尹政権が「非常戒厳」宣言を前に、南北間の局地戦を意図的に誘発しようとしていた、との疑惑が浮上したという。「金(キム)前長官が合同参謀本部の関係者に対し、『北から汚物風船が飛来した場合、警告射撃後に、風船が放された地点を攻撃する』という指示を出したが、合同参謀本部はこれに否定的な意向を示した」と明らかにした。
今後、次々と戒厳令宣布の大きな背景が解明されていくだろう。

戒厳令の背景 日米韓戦争同盟
11月15日、ペルーでバイデン・尹錫悦・石破の日米韓首脳会談が行われた。そこで「中国・ロシア・北朝鮮」との戦争に向けた「3カ国軍事・事務局体制」を発足させた。この時、尹大統領は「自由主義体制を守るための、ウクライナへの武器供与」を約束した。
これに先立ち、11月13日から第2回日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ」が実施された。弾道ミサイル対処訓練、防空戦闘訓練、対潜戦訓練、対水上戦訓練、海賊対処訓練及びサイバー攻撃対処など、複合的戦争勃発を想定した訓練だ。米原子力空母、ジョージ・ワシントンも参加している。
北朝鮮と対峙し、米国との戦争同盟を最前線で担う韓国。軍事境界線は戦争の発火点として、今極度の緊張状態にある。尹大統領にとっては、野党や、自分に批判的な勢力を一掃し、韓国内を「挙国一致・戦時体制」へと「変革」することが必至であった。そのためには、戒厳令の宣布しか選択肢はなかった。
これに対して、何度もの試練を経てきた韓国の進歩派と民衆は「戒厳令を待ち構え、勝利する決意と戦略」を持っていた。この教訓を真剣に学ばねばならない。

衝撃を受けた日本政府
日本の野党と市民は危機感が欠如
日本のマスコミ報道は「尹大統領は唐突で妄想的」と、事態を矮小化している。戒厳令の6時間をリアルタイムで報道したテレビ番組は、日本では皆無だった。どうして韓国民衆が極寒の中で凍えながら必死で闘っているのかも伝えない。
しかし、日本の支配層と保守勢力は衝撃を隠せない。韓国の現状を「自分の危機」と受け止め、これを機に日本の戦時・翼賛体制を如何に作るかを真剣に考えている。
日本の野党と私たち市民は、韓国民衆の闘いを真剣に学ぶべきだ。このまま「韓国の闘いは素晴らしい」とか、「民族性」だと他人事にしていたら、右翼と支配層に敗北してしまう。

日韓条約は極東の米戦略体制
今、韓国民衆の闘争によって、米極東戦略の一環である日韓条約体制に激震が走っている。連日繰り広げられる韓国のデモは、徴用工の運動にも勇気を与えてくれている。今までは米日韓軍事同盟を優先させるため、徴用工問題など日韓の歴史問題へ、両国政府が強く圧力をかけていた。しかし、米大統領は、対北朝鮮・中国・ロシアの戦争同盟を強化してきたバイデンから、来年トランプに替わる。そして尹政権は「終わりのはじまり」だ。
尹大統領は、日本の右派との繋がりが強い。植民地支配を肯定し、独立運動さえも否定していた。来年、日韓条約60年にあたり、日韓政府は「新日韓条約」声明を準備していた。しかし、その前提が崩れたのだ。
日本政府は、韓国が野党政権になることを恐怖している。「日韓条約に反対」「植民地責任は問われる」と発言してきた李在明代表が大統領になったら、「日韓関係は危機になる」と、危機感を露呈している。

植民地主義・帝国主義と民衆が闘う時代
世界は連動している。戦争と激動が、他方の戦争と激動を呼び起こしている。相互に共鳴し、世界の何処も孤立していない。
私たちは問われている。一人ひとりが主体として生きているのかと。来年は戦後80年、日韓条約60年。歴史の分岐点に立ち、あらためて植民地主義と戦争に抵抗し闘う人々と、共にありたいと思う。

植民地主義と対決する徴用工の運動を発展させよう!
日韓条約60周年、進歩派の新政権と共に歩める日本の運動を作ろう。

by fujikoshisosho | 2024-12-20 15:32 | 連絡会ニュース | Trackback | Comments(0)


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